津波は、地震などの衝撃で海面の変化のことです。
2011年3月11日・・・日本を襲った津波でたくさんの人の命が失われ、甚大な被害が出たのは記憶に新しいところです。東日本大震災の津波は”津波は恐ろしいもの”と、私たちに桁違い自然の威力を見せつけたわけですが、地震で起こる津波ではない津波があります。
それが“地殻津波”です。
地殻津波が起こる原因になると考えられているのは、地震ではなく隕石の衝突です。
地殻を持つ隕石が地球に衝突したときに、ものすごいエネルギーで地球の表面を覆っている薄皮のような地殻がめくれて溶けてしまうんです。地殻がめくれ上がり、熱でドロドロに溶け・・・そして、それが高温のマグマのようになってあふれます。
隕石の衝突のエネルギーで衝突してきた隕石もそのものもドロドロに溶け、そして、地球を構成している地殻が剥がれて高温の溶岩のようになります。これが地殻津波の正体です。地震で起こる津波は、衝撃を受けた海水がまるで大きな塊のようになって陸に押し寄せるもの。当然、押し寄せてくるのは海水ですが、地殻津波ではドロドロに溶けたマグマのような高温の物体が地球の表面を襲います。
地殻津波が地表を覆うと当然、生き物は死滅。水も氷も雪も溶けて地球は灼熱地獄になります。
と、なかなか恐ろしい地殻津波ですが、地殻津波を引き起こす隕石は、直径400キロ以上の超特大サイズで、音速で衝突した場合にこの現象が起こると考えられています。つまりちょっとした隕石では地殻津波は起こりません。
地球の歴史上、8回はこの地殻津波が起こっていたとされています。
地球の誕生してからおよそ40億年とされていますから、その中で8回ということは、確率で言えばめちやくちゃ低い。ですが、人類が誕生する前の地球で、少なくとも地殻津波が起こった実績はあるのです。ということは、この先「絶対にない」という保障はありません。
衝突でめくれてしまった地殻は宇宙空間にまで到達・・・。地殻がめくれてドロドロに溶け、そして、衝突した隕石そのものもドロドロに溶けてしまうので、マグマの量は半端ではありません。
火山の噴火でも大量のマグマが噴き出しますが、地殻津波のそれは量も規模も影響するエリアも桁違いです。
地殻津波を引き起こすほどの隕石は、直径400キロ以上ですから当然、その影響は世界中に及びます。海水ではなく高温の溶けた地殻があふれ出していきます。地表にあるものをすべて飲み込んでしまうのです。
直径400キロ以上の隕石は超特大サイズ・・・ちなみに恐竜を絶滅させた隕石のサイズは直径15キロ程度だったと考えられています。
「もし地殻津波が起こったら」
非難しないといけないっと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。ですが・・・地殻津波が起こるような隕石の衝突があった場合には、恐らく、地球上に「安全な場所」は無くなってしまうでしょう。仮に、衝突地点の真裏に居たとしても、1日程度で地殻津波に襲われてしまうと考えられています。
もちろん衝撃地点にいたら間違いなく即死です。ですが、仮に衝撃地点から離れていても地殻津波から逃れるすべてほぼ皆無と言って良いでしょう。もし、400キロ以上の超特大サイズの隕石が衝撃して地殻津波が発生したら、今、地球上に生息している人類を含めたすべての生き物は絶滅してしまう可能性大です。
隕石の衝突のエネルギーで地殻がめくれ上がって起こる地殻津波は、地震が引き起こすことが多い海面の変化の津波とは全く違うものです。衝撃の衝撃で地殻がめくれ、ドロドロ溶けた高温の地殻が地表を覆います。宇宙空間まで到達し、津波のように地表を襲っていきます。当然、高温ですから、地球は灼熱地獄になると想定されています。
地球の歴史上、8回はこの地殻津波が起こっているそう。そして、この先、地殻津波を引き起こすような隕石の衝突が絶対にないという保証はどこにもありません。
人類が滅亡するかもしれない自然現象はいくつかありますが、地殻津波もそのなかの一つです。
参考資料:Wikipedia 地殻津波