北欧神話では、世界は9つの場所に分かれているとされており、それぞれの世界で様々な種族が生きています。
現在のファンタジー作品などのモデルになっている、エルフや巨人族、そして神の存在なども北欧神話の影響を多く受けていたり、キャラクターモデルになっていたりするんですよね。
世界の真ん中には以前、こちらの記事で紹介した『ユグドラシル』という巨大な樹木が通っており、ユグドラシルを通した先にそれぞれ種族が暮らすとされる国があるのです。
今回は北欧神話に登場する種族や、彼らの国について紹介していこうと思います。
画像引用元:北欧神話
先に少し触れましたが、世界樹と呼ばれる『ユグドラシル』は、北欧神話の世界をそれぞれ繋ぐ役割も果たしています。
また、国とは別に、ユグドラシルの根本には『知識の泉』があるとされており、そこにはかつてアース神族の最高神であるオーディンが水を飲みに行ったという説もあります。
さらに、世界を創造した時に、オーディン達によって原初の存在であるユーミルの身体で世界は構成されているため、これらの国境はユーミルの身体によって作られたと考えることも出来ますね・・・。
それはともかく、今回の本題である『北欧神話の9つの世界』とそれぞれの種族について紹介していきます。
画像引用元:アースガルズ
北欧神話においてもっとも中心となるのが、アース神族が暮らすとされるアースガルズです。
ここには、オーディンの居城であるヴァルハラがあり、オーディンが常に世界中を監視していると言われています。
アースガルズの目的は来たるべき『ラグナロク』に備えて有能な戦士を集めることにもあり、いざ戦争になると神の護衛役を果たすために、戦士達は日夜戦いの訓練を繰り返しているそうです。
画像引用元:フレイヤ
ヴァナ神族はアース神族よりも古くから信仰されていた神々ですが、アース神族との戦争によって主役の位置を奪われた存在です。
両者の争いについては以下の記事をご覧ください。
彼らは、アース神族によって追いやられてしまったため、神話の中でも中心的な存在から外れてしまいます。
北欧神話全体を見ると少し可哀想な存在だと感じます。
画像引用元:北欧神話
北欧神話で人間が住んでいるのはアースガルズからユグドラシルを通じて繋がっている『ミズガルズ』という世界です。
いわゆる普通の人間が住んでいる世界であり、虹の橋を通じて神は人間の世界を監視、あるいは管理することが出来るのです。
人間の世界であるミズガルズの海はロキの子供である、巨大な蛇ヨルムンガンドが外側を囲み、自分の頭で尾を咥えているとも。
また、優秀な戦士は死んだ後にヴァルキューレによって死者の館に連れて行かれると言われています。
画像引用元:スルト
炎の世界である『ムスペルヘイム』では巨人スルトが住んでいます。
世界の始まりから存在しているムスペルヘイムは北欧神話において生命の誕生にも関わっている世界でもあります。
しかし、人などが住んでいるという描写はほとんどなく、基本的にはスルトの世界だと言われているようです。
霧に包まれたニヴルヘイムもムスペルヘイムと同じく原始から存在している世界であり、『知識の泉』があると言われている場所です。
さらに、この場所はいわゆる死者の世界であり『ヘルヘイム』とも呼ばれています。
この場所がヘルヘイムとなった経緯には、ロキの娘であるヘルがとある事件をキッカケに投げ込まれた後、死者の世界として見られるようになったそうです。
エルフが住むと言われている『アルフヘイム』は9つの世界の中でも上位に位置し、ヴァン神族のフレイが信仰対象となっているそうです。
エルフはアース神族であるオーディンの剣を打ったとも言われており、比較的神に近いような存在として扱われています。
一方で、スヴァルトアルフヘイムは第二層にあると言われており、闇のエルフが住んでいるとされています。
ニダヴェリールと呼ばれる国はドワーフや小人といった種族が住んでいると言われている世界です。
ロキが彼らをそそのかしたことで、トールのミョルニルやフレイの持つ機械仕掛けのイノシシなどを作ったことで知られています。
いわゆる魔法の道具を作る、という性質から、色々なファンタジー作品に登場する種族でもありますが、それらの作品でモデルとなっているのは北欧神話の逸話があったからではないでしょうか?
ヨトゥンヘイムの世界は北欧神話における世界の始まりに多く存在した霜の巨人達が住んでいる場所です。
世界が創造された時に、ユーミルの血の洪水によってほとんどの霜の巨人は死んでしまうのですが、唯一ユーミルの孫と妻だけは助かり、ヨトゥンヘイムの世界へ逃れます。
今回は北欧神話に存在する9つの世界について紹介してきました。
エルフやドワーフ、巨人といった、いわゆるファンタジー、おとぎ話のような題材になっているものの多くは『北欧神話』から来ていることが分かると思います。