宗教というものは、どんな人であれ切っても切れない存在。
むしろ宗教を信じていない人はおかしい人と考えてしまう人もいます。
しかし、そんな宗教は国によって弾圧されてしまうことも。
今回は現代でもなお行われる宗教狩りについて紹介します。
公開日:2019年11月5日 更新日:2020年3月9日
アジアを代表する国にまで成長している中国。
その成長の裏には、中国共産党による一党独裁体制が関係します。
そんな中国共産党は国民を徹底的に管理するだけではなく、宗教自体も管理しようとしているのです。
中国では新興宗教どころか、仏教やイスラム教、キリスト教といった世界各国で信仰者が多い宗教でさえ厳しく取り締まっています。
よくあるパターンは、宗教施設を立ち壊したり一部変更したりすること。
施設の破壊までには至らなくても、寄付金や宗教関係の書物を没収することもあります。
以下の動画は、キリスト教系の宗教施設を閉鎖されてしまって嘆き悲しんでいる信者の様子です。
なぜ中国はここまでして様々な宗教を弾圧するのでしょうか。
社会主義を打ち出したマルクスが宗教に対してアヘンだと批判した背景もありますが、宗教の中国化を目指しているという声があります。
宗教の中国化とは、2015年に習近平主席が提起したもの。
具体的には、宗教を悪と考えるマルクス主義を現代の中国に持ち込み、共産党への支持を強固なものにするという内容です。
様々な宗教が乱立してしまうと国民としてのまとまりが弱くなってしまい、イデオロギー闘争が起きてしまいます。
それを防ぐためにも、様々な宗教を弾圧して権力を維持。
その上、宗教の上に中国共産党が立つことで、国民の管理もしやすくなります。
ソビエト連邦として中国同様に共産主義であったロシア。
ソ連時代には徹底的な弾圧が行われていましたが、今ではロシア正教会が国教と呼べるほど力をつけています。
しかし、その影では宗教弾圧が引き続き行われているのです。
ロシアの宗教弾圧において、最も顕著なものがエホバの証人。
エホバの証人はキリスト教系の宗教団体であり、日本ではエホバの証人輸血拒否事件で有名です。
エホバの証人の弾圧は、伝道規制法案に則って行われており、ロシア正教会の信仰者やプーチン大統領からの参道もあります。
エホバの証人はオウム真理教やISISと同じ過激派と指定されて以降、数多くの信仰者が拘束。
エホバの証人からはもちろんのこと、様々な人権団体から批判されています。
伝道規制法案とは、ロシアが許可した協会や集会所以外でしか伝道活動が行えないというもの。
ロシア正教会やモルモン教などは許可されていますが、エホバの証人は許可されていません。
そのため、勝手にロシア国内でエホバの証人信仰者による伝道活動を行うと逮捕されていまいます。
エホバの証人が弾圧される原因は、ロシアへの愛国心が欠けているからとされています。
そのためなのか、今現在弾圧されているのはエホバの証人とオウム真理教のみ。
オウム真理教は日本でテロ行為を行ったが故の手段ですが、エホバの証人はこれまで何も行っていません。
近世ヨーロッパにおける宗教狩りとして有名な魔女狩り。
当時ほど盛んではありませんが、完全に滅んでいるわけではありません。
例えば南国の島であるパプアニューギニアでは、環境の変化は魔女のせいだと考えてレイプや暴行されてしまう事件が多発。
金銭目的で魔女を見つけ出す人物まで現れており、パプアニューギニアの新しい宗教問題となっています。
一方でアフリカでは、ナイジェリアやガンビア、タンザニアで魔女狩りが発生。
ガンビアに関しては、当時の大統領が関与していたという指摘まであります。
今の日本では信仰の自由が認められているため、宗教狩りといった問題は起きていません。
ただし、世界各地では日本ではありえないような宗教狩りが数多く発生しています。
「信じる者は救われる」という言葉がありますが、そんな言葉が世界各国共通のものになるのはまだ先の話なのかもしれません。
▼参考文献▼(アクセス日2019/10/11)
https://jp.bitterwinter.org/buddhist-temple-suppressed/
https://jp.bitterwinter.org/suppressed-for-not-joining-official-church/
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/07/post-10606_3.php
https://www.spf.org/spf-china-observer/document-detail008.html
https://www.afpbb.com/articles/-/3208788
https://ja.wikipedia.org/wiki/魔女狩り#アフリカ