日本国内だけでなく、諸外国の都市伝説や心霊・オカルト系の話で赤ん坊や子どもにまつわる話は多いですよね。
悲しい話や呪いなど恐ろしい話などさまざまな内容がありますが、今回は亡くなった我が子を呼び戻すことができるという悪魔の儀式『ベビーブルー』についてお話ししていきます。
『ベビーブルー』という単語を今初めて知ったという人は意外に多いのではないでしょうか。この言葉、一般的には産後うつや色の名称として使われている単語なので普通に検索をすると都市伝説が上位に入ることはありません。マタニティブルーという言葉もありますが、こちらは出産前の気分の落ち込みやうつ状態のことで、ベビーブルーは産後のうつ状態のことをさします。
カラーの場合は『baby blue』という表記で、ウェブで使用するときのコードは『#bbe2f1』。パステル調のほんのりグレーがかった明るいブルーで、ベビーピンクのように乳幼児用品でよく使われているカラーです。
都市伝説やオカルト儀式では鏡を使ったものが多い傾向にあり、このベビーブルーも儀式では鏡を使用しますが、『生き返らせる』のではなく『呼び戻す』というのがポイント。肉体そのものが復活するわけではなく、鏡ごしに亡くなった我が子に会えるという儀式なんです。
生贄を使う・自分の血や亡くなった子供の体の一部を使うなどといった血なまぐさいものはなく、鏡以外に必要な道具もないため誰でも一人で簡単に行うことができます。
【亡くなった我が子を呼び戻すベビーブルーのやり方】
儀式が成功すれば鏡ごしに両手の中に亡くなった我が子が写り込むのですが、万が一鏡の中とはいえ我が子をうまく抱くことができず落としてしまうようなことがあれば、子供が消えて鏡が割れてしまうだけでなく儀式を行った母親さえも死んでしまうという恐ろしい結果が待っています。
ベビーブルーでは先述した一般的な方法のほかに、もうひとつ別パターンのやり方が存在します。こちらのパターンもバスルームで曇った鏡に指で文字を書くところまでは同じなのですが、その後両手を差し出して子供をあやすような動作をしながら13回、「baby Blue」と唱えると鏡に映った自分の腕の中に亡くなった赤ん坊が姿を現すというのです。
しかしこちらの方法で我が子を呼び戻すと、姿を現した子供が割れてしまうんです。この段階で赤ん坊を置いて逃げることができれば儀式を行った人物は助かることができるのですが、子供を抱き続けていると声の主が姿を現し割れた鏡の破片で体を切り刻まれるという恐ろしい結果に。
真偽は不明ですがうわさでは実際にベビーブルーの儀式を行った女性で、腕などにケガをしたという話も伝えられています。
ベビーブルーの儀式を行う上で一番重要なのが、「果たして現れる赤ん坊が本当に自分の子供なのか?」という点ではないでしょうか。我が子を亡くした母親の心の痛みは根深く、正気を失い他人の子を我が子と思い込むことも多いです。
ましてやこの儀式は生死の境界を越えておこなうものなので、母親の心理をうまく利用して悪霊や悪魔などが母親の魂を狙って我が子に成りすまして現れるということも考えられますが、それを確かめる術はありません。
この儀式ですが、元ネタは一般的な産後うつの母親が引き起こした悲しい事件が発端となっているため、そのままベビーブルーという名称で語り継がれてしまっているんです。
産後うつは程度の個人差はあるものの、妊娠中に起きるマタニティブルーと同じように誰でもなる可能性があるもので、女性は妊娠中や産後はホルモンバランスなどの崩れからどうしても精神が不安定になりがちなんです。さらに不慣れな子育てによるストレスなども加わってしまい、感情のコントロールがしにくくなって夫や子供など周囲へ危害を加えてしまうことも。
ベビーブルーの元ネタとなった母親はノイローゼと伝えられていますが、おそらく現代でいうところの産後うつでかなり重症だったのでしょう。感情を抑えきれず割れてしまった鏡(一説ではガラス片とも)で我が子を切り刻んでしまい、その後何とか生き返らせようとしたと伝えられていますがその方法については語られていません。
別パターンの儀式後半に登場する女性は、恐らくこの元ネタの母親なのでしょう。呼び戻した我が子を自分の子供だと思い返してくれと懇願し、返してくれないなら……といったパターンですね。
おなかを痛めて産んだ我が子を失った母親の気持ちは相当なものでしょう。でも生死の境界を越え、鏡越しとはいえ我が子をこちら側に呼び戻すのは相当なリスクがつきもの。
自らの命と引き換えになる可能性もありますし、命が助かったとしても果たして呼び戻した我が子が本当に自分の子なのか。悪魔や悪霊が幻覚で見せていたり成りすましている可能性もありるため、おすすめできる方法とはいいがたい儀式です。