オーストラリア大陸の約2倍の面積を持つ南極大陸は世界で5番目に大きな大陸です。
地球の極地にあるため、低温で大陸の98パーセントが氷で覆われています。氷の厚さは平均で2,450m。最大で4,500mというスケールの大きさです。地球上の氷の90%が南極大陸にあります。そして、地球上で最も低温な場所でもあります。2018年7月には-97.8°Cという超低温を観測しており、乾燥していてとても人が住めるような環境ではありません。
世界各国が南極に観測所を置いていますが、南極大陸はどこの国にも属さない場所です。日本の観測所は昭和基地、みずほ基地、あすか基地、ドームふじ基地の4つです。
その南極大陸からマンハッタンの80倍というとんでもない大きさの氷山がとうとう分離してしまったそう。これも地球温暖化の影響なのでしょうか。
南極大陸では、2002年5月は、ラーセン棚氷という大きな氷が崩壊しています。ですが、今回分離したのは氷山。その大きさはマンハッタンの80倍で氷山は長さ約170キロ、幅約25キロだそうです。ちなみに・・・日本で言えば、富山県よりも大きなサイズということになります。
めちゃくちゃ大きな氷の塊がウェッデル海を浮遊しているというわけです。スケールが大きすぎて笑ってしまいますが、これ、実は周期的に起きる自然現象なのです。
今回の氷山は、英南極観測所の専門家が発見したもので、米国立雪氷センターが分離を確認しました。
(CNN) 欧州宇宙機関(ESA)は19日、南極大陸から世界最大の氷山が分離し、海上に浮かぶ巨大な氷片になったと発表した。面積は米ニューヨーク・マンハッタンの80倍近くあるという。
-中略-
氷山の分離は周期的に起きる自然現象で、棚氷からは一定の間隔で巨大な海氷が分離している。専門家は今回の分離について、気候変動が原因ではなく、自然の周期による現象だとみている。
この氷山は、ロンネ棚氷という棚氷から分離し始めているとして観測が続けられていました。「A-76」という名前がつけられたのですが、今回、南極大陸から分離したことで世界最大の氷山となったのです。
今回、分離した氷山はもともとは海に浮かんでいる棚氷と呼ばれる部分の一部でした。なので、分離しても海面の上昇は起らないそうです。
ちなみに・・・地球上の90パーセントの氷がある南極大陸の氷がすべて溶けてしまったら・・・海面が58メートル上昇すると言われています。
今回の氷山の分離は、気候変動の影響ではなく「周期的に起る自然現象」だとされていますが、このまま温暖化が続けば、南極の気温が上昇して本当に氷が溶けて海面が上昇するということもまったくあり得ないことではなさそうに思えてきます。
南極から分離した世界最大の氷山ですが、分離はしたもののすぐに溶けてなくなるようなサイズではありませんし、しばらく観測が続けられるのでしょう。
ちなみに、今回の氷山ではありませんが、2017年に南極のラーセン氷床から分離した「A68a」は、南極海を漂流しています。
サウスジョージア島に接近して「衝突するのでは?」とニュースになったこともありますが、漂う方向がが変わって衝突は回避されました。
この「A68a」は今でも海を漂っていてあと10年くらいはこのままではないかと言われています。
参考資料:世界最大の氷山、南極で分離 面積4320平方キロ-AFPBB News
南極大陸 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
世界最大の氷山誕生 南極大陸から分離―欧州宇宙機関-時事ドットコム
世界最大級の氷山、南極海の島に接近中 衝突か回避か-Yahoo!ニュース