今回ご紹介する世界の不思議は、「アンティキティラ島の機械」です。「アンティキティラの歯車」、「アンティキティラデバイス」とも呼ばれます。
アンティキティラ島(の近海の沈没船)で見つかった機械だから、アンティキティラ島の機械。どストレートなネーミングだからこそ、名前だけ知っている人も多いオーパーツですね。
オーパーツとは「Out Of Place Artifacts」の略で、「場違いな工芸品」という意味です。一般に、超古代文明の遺物と解釈されます。
科学技術の進歩によって、有名なオーパーツがどんどんニセモノだと明かされていくなか、逆に本物のオーパーツと認められたのがこのアンティキティラ島の機械です。
アンティキティラ島の機械はガチのオーパーツなのか? その正体や判明した事実を深く掘り下げていきます。
マヤ文明の「クリスタル・スカル(水晶髑髏)」や恐竜が描かれた「カブレラストーン」、古代のロケットであるとされた「黄金スペースシャトル」、古代核戦争説の証拠ともされた「モヘンジョダロのガラス化した町」といった有名なオーパーツは、放射性物質を使ったC14年代測定法などの最新科学の進歩で、次々と偽物(後世の創作)だと明かされてしまいました。
しかしそんななか、逆に最新科学によって「本物のオーパーツ」として認められてしまったのが、「アンティキティラ島の機械」です。
1901年に、ギリシアの沈没船から発見された歯車のような謎の機械です。今から2100年ほど前のものと思われ、錆びや破損も多く、使用方法も目的も一切不明で、オーパーツとされてきました。
しかし2005年から行われた「アンティキティラ島の機械研究プロジェクト」で、この機械の失われたパーツや破損個所を修復して当時の姿に復元しようと、世界中の最新技術がアンティキティラ島の機械にそそがれました。
その結果、天体の位置や運行が予測可能な「アナログ天文計算機」あるいは「太陽系儀」であると結論づけられたのです。
問題は、その恐るべき性能です。
画像引用元:Wikipedia
アンティキティラ島の機械は、紀元前150年前(古代ギリシアの時代)に製作された歯車式の機械です。
おもに「天体運行」を計算・表示しました。当然、地動説に基づいて作られていて、太陽・月・惑星の動きを1/37000000の誤差の精度正確に計測できたとされています。
これだけでも当時あったとは思えませんよね。しかしこの機械の機能は、これだけじゃありません。
なんと……
このようなものまで解明、あるいは可能性があったと推測されているんです。
こんな機械が2000年以上前に存在していて、実際に使われていたんです。この事実に、ロマンを感じずにはいられませんよね。
アンティキティラ島の機械には、「OLIMPIA」の文字が刻まれていることが判明しています。
つまり4年に1度のうるう年を計測することで、オリンピックの開催時期を知らせていたという可能性です。
当時のオリンピックが、これほど精巧な機械を用いるほどに重要なイベントだったことも、この機械から察することができますよね。
アンティキティラ島の機械がオーパーツとされるゆえんは、やはりその「精密さ」でしょう。
物理学の権威であり、科学機械史の専門家、ケンブリッジ大学のデレク・デ・ソーラ・プライス氏は、アンティキティラ島の機械には
・16世紀に初めて発明された(とされている)形の歯車
・18世紀にジェームズ・ワットが発明した(とされる)遊星歯車機構
などの技術が用いられていることを突き止めました。「18世紀の時計にも劣らない技術」と言われています。
古代ギリシア人の知識・技術・科学力は、18世紀のヨーロッパに匹敵するレベルだったということです。
紀元後から、キリスト教をはじめとした「宗教」の時代がやってきます。
宗教の広がりに伴い、科学は異端のものとされてしまいました。科学技術の発展はおろか、それが表に出ることすら難しくなってしまったのです。
そこで考えてしまうのが……
今ごろは、想像もできないほど進んだ時代になっていたのかもしれませんね。
時代や使い方が解明された今も、謎はまだまだ残されています。
アンティキティラ島の機械には、今も解明されていない謎に満ちあふれているのです。
そんななか唱えられているのが、この凄まじい天文知識と技術は、宇宙人によってもたらされたという説です。
古代の天文学といえば、世界最古の都市文明である「シュメール文明」の天文知識は、現代と遜色ないレベルだったとオカルト界隈では有名ですよね。
シュメール人は18世紀以降に発見された天王星や海王星、冥王星などの太陽系の全惑星を粘土板に記し、しかも正確な運行予測も可能だったとされています。こういった超技術から、古代には現代を超える文明が存在したという「超古代文明説」や、宇宙人が人類の文明を作ったという「古代宇宙飛行士説」などが盛り上がりました。
というのもシュメール神話によれば、シュメール人(ヒト)は、「アヌンナキ」という宇宙から降臨した神々の集団に作られたとされます。その文明や知恵も、このアヌンアキに授けられたというのです。
アヌンアキは、金を採掘するために他の星から地球へとやってきたとされました。当時は「神」だとされたアヌンアキですが、現代の目線で見たら、どう見ても「宇宙人」ですよね。
実際にそう考えなくては、なぜ近代にも相当する超高度な都市構造や言語、医療技術、天文知識などが突然現れたのか……この謎は現在の科学では説明できません。
「アンティキティラ島の機械」も、宇宙人に授けられた技術から作られたものなのかもしれません。
オーパーツの定義は、「それが発見された時代や場所にそぐわない物品」です。
そしてアンティキティラ島の機械は、これに当てはまる本物のオーパーツです。
カーディフ大学のマイケル・エドマンド教授は、アンティキティラ島の機械を「モナ・リザより価値がある」と評しています。
「この装置は、この種の物としては抜きん出ている。デザインは美しく、天文学から見ても非常に正確に作られている。歴史的、また希少価値から見て、私はこの機械はモナ・リザよりも価値があると言わざるを得ない。」
出典:The Guardian
もし、他のパーツや類似する機械が見つかったら……?
研究が進み、新事実が判明したら……?
まさしく、モナ・リザ以上の価値を持つことになるかもしれませんね。