1996年に発売された「ポケットモンスター赤・緑」に始まり、2019年11月には最新作「ポケットモンスターソード・シールド」が発売され、もはや日本国内外で知らない人はいない「ポケモン」シリーズ。
小さい頃に遊んだ人もいれば、未だにガチ勢…という大人の人もいるでしょう。
そんな「ポケモン」シリーズに隠された怖い都市伝説を紹介します。
2002年にゲームボーイアドバンス用ソフトとして発売された「ルビー・サファイア」、2004年に発売された「エメラルド」は「ホウエン地方」を舞台としています。
ホウエン地方は日本の九州地方を横に倒したような形をしています。
豊かな緑に囲まれた場所で、のびのびとポケモンやトレーナーたちが暮らしているのです。
そんなホウエン地方には、伝説のポケモン
・レジロック
・レジアイス
・レジスチル
の「レジ系」と呼ばれる3体が生息しています。
なんと、この3体が戦争の犠牲者をモデルにしてつくられたのではないか…という都市伝説が存在するのです。
果たして、そのような都市伝説は本当なのでしょうか。
その根拠となる設定を見ていきましょう。
ホウエン地方は九州地方をモチーフにしているといいましたが、レジ系の生息地と現実の場所を照らし合わせると、
・レジロック:さばくのいせき(大分県)
・レジアイス:こじまのよこあな(長崎県)
・レジスチル:こだいづか(宮崎県)
となります。長崎には原子爆弾が投下され7万人以上が犠牲となり、大分と宮崎はそれぞれ大空襲で大きな被害を受けました。
しかし、細かく見ていくと「こじまのよこあな」は原爆の落ちた長崎市ではなく平戸市辺り、「こだいづか」も宮崎県と熊本県の県境辺りに位置しています。
この辺りはむしろ疎開地となっており、目立った被害は受けていません。
戦争をモチーフにこの3体のポケモンをつくったのなら、わざわざ微妙に生息地をずらす意味があったのでしょうか。
レジ系の3体はレベル89になると「はかいこうせん」という技を覚えます。
この技は戦争の比喩であり、89という数字は長崎に原爆が落とされた8月9日を意味するという説があります。
しかし、レベル89ではかいこうせんを覚えるように仕様変更されたのは、ニンテンドーDSで発売された次世代の「ダイヤモンド・パール」から。
ルビー・サファイア・エメラルドではレベル65で覚える仕様となっています。
3体のポケモンに共通する「レジ」は軍事用語で「犠牲者」を表しており、戦争を想起させるというのも一般的な理由のひとつ。
確かに「レジスタンス」という言葉はよく聞きますし、「レジ」はそこから取られたのではないかと想像する人も多いでしょう。
しかし、そもそも軍事用語に「レジ」という言葉は存在しません。
それぞれの英語版での名前は「Regirock」「Registeel」「Regice」となっており、みなさんが想像している「Resistance」とも異なります。
レジ系の3体はいずれも目がなく、レジロックは指がありません。
レジアイスとレジスチルも、指は3本となっています。
空襲で指を失った、被爆の後遺症で視力を失ったと考えることもできます。
しかし、ポケモンの世界では指が少ないなんてことは珍しいことではありません。
むしろこの3体のデザインで指が5本あったら気味悪さすら感じますよね。
目がないことに関しても、レジ系3体は暗い洞窟の中でずっと暮らしていたため、視力を必要と考える方が自然です。
レジ系は3体ともレベル33で「げんしのちから」という技を覚えます。
これは「原子の力」と考えることができ、長崎県に落とされた原子爆弾を想起させます。
しかし「げんしのちから」はそもそもレジ系に限らず多くのポケモンが覚える技です。
「原始の力」とも解釈でき、この理由はこじつけである可能性が高いでしょう。
レジ系の都市伝説の根拠は他にもまだありますが、決定的な証拠となるものはありません。
よって、ファンの間では有名なこの都市伝説ですが、信ぴょう性はあまりないというのが結論です。
九州地方はかつて炭鉱で栄えた場所でもあり、レジ系のモチーフは鉱物だという説もあります。
しかし、それもやはり噂の域を超えません。
ポケモンシリーズはまだまだ人気作で、ゲーム以外にもアニメや映画も度々新作が公開されています。
いつか、このレジ系の謎が解き明かされる日がくるかもしれませんね。