オカルトオンラインをご覧になっている皆さんは、ホラーが好きな人も多いと思います。
そんなホラー要素を持ったヒップホップ「ホラーコア」を知っていますか?
今回はホラー×ヒップホップの「ホラーコア」の歴史とおすすめアーティストを紹介します。
ホラーコアとは、1990年代・アメリカ発祥を起源とするヒップホップのサブジャンルのひとつ。
その名の通り、ホラー映画やスプラッター映画から影響を受け、一般的なヒップホップよりも陰鬱な内容を歌った曲が多いのが特徴です。
ホラーだけでなく、超常現象などのオカルトチックなものや自然主義をテーマにした歌詞を取り入れているアーティストも少なくありません。
1990年代のラッパーFlatlinerzやGravediggazなどが積極的に楽曲に取り入れ、ヒップホップのいち文化として広まりました。
ホラー要素を含んだヒップホップ「ホラーコア」ですが、どのようなアーティストや楽曲があるのでしょうか。
ホラーコアはヒップホップ全盛期の1990年代に流行しましたが、現在でも取り入れているアーティストも紹介します。
アメリカ・デトロイト州出身の2人組ユニット・INSANE CLOWN POSSE。頭文字をとって「ICP」と呼ばれています。
派手なメイクと過激な歌詞やパフォーマンスで、全米のPTAが「子供に聞かせたくない最悪音楽」ナンバーワンに選んだんだとか…。
歌詞は2人の好きなホラー映画に強く影響を受けたものがほとんどで、精神異常者をテーマにしたものや猟奇的な内容のものもあります。
「ジャガロ」と呼ばれるファンも過激。本人たちも人権団体に訴えられる、有名ラッパー・エミネムと凄まじいビーフ(喧嘩)を繰り広げるなど、良くも悪くもファンを飽きさせません…。
アメリカ・メンフィスを拠点に活動しているスリー・6・マフィア。
「主張する黒人たち」を意味するN.W.A(Niggaz Wit Attitudes)と呼ばれるメンバーの一員で、その過激な活動内容も話題となりました。
「スリー・6・マフィア」という名前は、悪魔の数字といわれる「666」からきており、歌詞も悪魔崇拝や暴力など、過激なものになっています。
トラックはホラー映画からのサンプリングも多く、大きな影響を受けています。
アメリカのラッパーであり、プロデューサーや俳優など多岐にわたって活躍しているNecro。
ニューヨークのブルックリンで貧しい家庭に生まれたNecroは、幼いころからドラッグの売買などをして生計を立ててきました。
そういったハードコアな経歴は曲や歌詞にも影響しており、ダークなトラックメイキングも人気の理由です。
ヒップホップだけでなくSlayerやmegadeathを聴いて育ったため、マルチな音楽プロデュース業でも成功しています。
ドラッグの売人からビジネスの才能を活かして成り上がったNecroは、今や貧しい若者たちのカリスマ的存在ともいえます。
早口ラップを得意とするTwisted Insane。
トラップをベースとした不穏なトラックの随所にはホラー映画を彷彿させる音作りが見えます。
冷たくて暗い世界観に彼のまとわりつくようなラップが印象的で、ホラーコア好き意外にもおすすめの一曲。
日本で唯一のホラーコア特化レーベル「GenocideMusick」所属のアーティスト・MIZARRY PSYCHO FREAXXX。
悪魔崇拝や黒魔術を想起させるセリフや、冷たく刺さるトラック、B級サイコホラー映画のようなMVの演出も全てが不気味です。
前述したNecroを招致した音源もリリースしており、日本ホラーコアのトップといっても過言ではありません。
「ホラーコア」はヒップホップの1つの文化として名を馳せましたが、少なくとも現代ではメインストリームではありません。
日本でも根強い人気を誇っているものの、そのアングラ感がヒップホップ好きには刺さるのではないでしょうか。
MVやトラックメイキングは、ホラー映画やオカルト好きにもぴったりな世界観です。
気になった方は、ぜひホラーコアを聴いてみてくださいね。