第二次世界大戦の時代、いわゆる近代史において当時の最先端を走ったナチス・ドイツ。
しかし、その一方で総統であるヒトラーや腹心のヒムラーなどは神秘学や秘術といったオカルティズムにも傾倒していたという。
実際には、ナチスの政治方針から国内中でオカルトが一大ブームになっていたという説もある。
いすれにしてもナチス・ドイツが大衆を操るために研究した分野の中には魔術や占星術も含まれていたのだ。
ここでは兵器戦争ではなく占星術や魔術師として同時代に活躍した人物を紹介していこう。
公開日:2019年10月25日 更新日:2020年2月23日
第二次世界大戦中の対立関係で言えば、特にオカルト傾向が強かったのが連合国のイギリスとナチス・ドイツであった。
ナチス・ドイツの侵攻を防ぎたかったイギリスは、その戦術を分析するのに占星術師を起用したのである。
同じようにドイツにも天才と呼ばれた占星術師がいたのだ。
イギリスはアメリカと同じ連合国だったものの、地理的な問題からナチス・ドイツの侵攻に怯えていた。
なぜならナチス・ドイツの勢力圏はフランスにも及んでおり、イギリスはすでに対岸の標的になっていたのだ。
ナチスの政権はそもそも『トゥーレ協会』という「神秘主義者」の集まりであったし、イギリスには高名な魔術師であるアレイスター・クロウリーが存在していた。
こういった背景を見ると、ナチスのオカルティズムの裏側が少しずつ見えてくる。
画像引用元:アレイスター・クロウリー
イギリス側で黒魔術の代表的な人物として挙げられるのはアレイスター・クロウリーである。
彼は一説によればチャーチル首相に「ピースサイン」を教えた人物であり、イギリス軍情報部に起用されていたという。
金色の夜明け団という有名な魔術師グループに所属しており、自分を破壊をもたらすものだと主張していたと言われている。
ナチス・ドイツ最高の宣伝相であったゲッベルスも認めた、当時のドイツで最高の占星術師として知られていたのがカール・エルンスト・クラフトである。
驚異的な占星術による予知能力、そしてその影響力の大きさから軍に引き上げられ、大衆のプロパガンダや占星術から見た侵攻作戦などを立案していた。
しかし、彼自身の予言ではドイツの敗北を示唆する結果が出てしまったのだ。
これによって最初はナチス・ドイツの最高幹部にも頼られたカール・エルンスト・クラフトだったが、自身が予言したドイツの敗北を示唆したことを罪とみなされ、1941年頃にヒトラー直属の指令によって他の占星術達と共に弾圧され、44歳の若さで収容所送りの途中に死亡してしまう。
彼はこのドイツの行為を卑しいものだとした上で死の間際に
「ドイツの宣伝省の上にはイギリスの爆弾が雨のように降るだろう」
という呪いのような予言を残している。
一方、イギリス側には魔術師アレイスター・クロウリーをはじめ、 ルイ・ド・ウォールという天才占星術師が軍部についており、カールの占星術によるドイツ軍の行動は見破られていたという。
結果的に、ルイ・ド・ヴォールの功績かどうかは判断出来ないが、ついにナチス・ドイツはイギリスに上陸することがなかった。
それどころか、カールが予言したナチスの軍事的な予言は的中し、最終的にはベルリンが陥落したことによって敗北に至るのである。
もしもカール・エルンスト・クラフトの助言をヒトラー達が聞き入れていれば、第二次大戦の結果は変わっていたのかも知れない。