纏足って言葉をご存知ですか?
「てんそく」と読むのですが、昔の中国で行われていた慣習です。中国では10世紀頃からあったと言われているこの文化…今だったら大問題になっていることでしょう。
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纏足は女性の足を小さくするために、まだ幼い頃から足に布などをきつく巻いて成長させないようにするという文化です。
それも、ただ足に布を巻くだけではなくて指を内側に折った状態でぐるぐる巻きにしていたんだとか。子供の頃からずっと足をこんな風に巻かれていたら成長できずに足が小さくなります。時には指の骨を折って足を小さくすることもあったんだとか、これが纏足です。
当然、纏足をされた子供は痛みで泣き叫びますし、足から出血や膿がでてかなりの痛みを伴いました。それでも母親は自分の子に纏足をしたのです。文化や風習とはいえ、恐ろしいものです。
大人の足のサイズはもちろん人にもよりますが、22センチから25センチ位ですよね。ですが、纏足をした人の足は成長しても10センチ程度だったそうです。
[amazonjs asin=”4582472303″ locale=”JP” title=”纏足の靴―小さな足の文化史”]参考資料:Wikipedia
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足を成長させないようにする纏足は、中国で難百年も続いた文化でした。1949年に中華人民共和国ができたときに中国政府は纏足を禁止したのですがそれでもなお纏足文化は残されていました。
何故こんなに残酷な文化がなかなかなくならなかったのか…それは、女性と結婚に理由がありました。
まず、中国では小さな足の女性が、足を引きずるように歩く姿が「好ましい」とされていました。つまり、小さな足は女性のチャームポイントのように捉えられていたんです。
そして、纏足のような長時間の痛みを伴う事を耐え抜いてきた女性は、親の言うことをよく聞き痛みにも耐える「よい子」だと思われていました。
こんな文化が根付いてしまうと、纏足をしない普通の足の女性は、「綺麗じゃない」とか「しつけがなってない」なんて見られ方をするようになるのは自然な流れ…。そうなると結婚も恋愛もしにくくなるんです。
足が大きな人は差別の対処のように軽蔑されていたそうです。纏足をしていない女性や足が大きな女性は「大足女」と揶揄されたんだとか。
足が小さい女性が美しい…とされていた昔の中国ですが、纏足は女性支配の方法でもありました。
今のように女性がバリバリ働いてお金を稼げるような時代ではありませんから、女性は結婚して家庭を守ることが生きていく方法でした。
つまり、大きな足の女性はなかなか結婚できず…結婚できないことは生きていくことが難しくなることを意味します。だから女の子が生きていくために、親は激しい痛みを伴う纏足を自分の娘に貸したのです。
また、纏足をして足が極端に小さくなると身体のバランスが崩れるのでスムーズに歩くことが難しくなります。女性が逃げられないようにするためだったのではないかという説もあります。纏足はもともと上流階級からスタートした文化でした。うまく歩けないようにすることで、外に容易に出られなくなりますから、貞操を維持するという目的もあったのではないかと考えられています。
参考資料:世界史の窓
当時の中国では女性の纏足は当たり前でした。が、女性は足を普段は隠して生活していました。寝るときも靴を履いて足をかくしていだんだとか、そんな足を男性に見せると、男性はその足に性的な魅力を感じたんだそうです。
纏足した足はずっと足に布を巻いているので臭いがきつくなりますが、その臭いも性的な興奮の要素だったんです。纏足の足にものを挟んで食べたり、きれいな装飾の靴を履かせて仕草を楽しむ文化もありました。
つまり、骨をおられてグルグル巻きにされて、臭う足がエクスタシーだったというわけ。当然、女性は纏足の足を夫や恋人以外には見せることをしませんでした。
また、纏足をすると内股の筋肉が発達するので性行為のときの快感が増しました。
なかなか理解できない世界ですが、そういう文化があったのは事実です。
[amazonjs asin=”458248221X” locale=”JP” title=”性からよむ中国史: 男女隔離・纏足・同性愛”]参考資料:HUFFPOST
中国には文化大革命という歴史があることは皆さんもご存知かと思います。
纏足は中華人民共和国ができ1949年に禁止されましたが、それ以降も一部の地域で残っていました。
纏足がなくなったのは第二次世界大戦後のこと。ちなみに文化大革命では纏足は反革命的行為と見なされて忌み嫌われました。そこでようやく纏足がなくなったのです。
纏足で足を無理やり小さくするわけですから、災害が起こったときに纏足の女性は逃げられずに死亡することも多くありましたし、夫が先に亡くなった場合は、女性は農作業などができずにかなり生活に苦労することもありました。
女の子の足を縛って骨を折りまるでハイヒールのような形にする纏足文化は、足が小さな女性が美しいという美的感覚から生まれたものでした。纏足の足は性的興奮の対象とされていて、恋人や夫意外には見せることがなく、寝るときも靴を履いたままでした。
かなり痛みを伴う残酷な纏足文化ですが、中華人民共和国ができて禁止された後もしばらく残っていた奇習です。