冬の星座の代表格といえば「オリオン座」です。
1等星が2つ、2等星が5つ、そして、オリオン大星雲も含まれるとってもゴージャスな星座です。星が3つ並んでいて、形にも特徴があるので見つけやすいですよね。
このオリオン座の一角をなす星が1等星のベテルギウスです。オリオン座だけでなく、シリウスとプロキオンで冬の大三角形をつくる赤い星です。
画像:ぱくたそ
このベテルギウスが今、天文ファンの間で注目されているのをご存知でしょうか?
ベテルギウスはオリオン座にある1等星で地球から約642光年の位置にあります。
642光年…ということは、光の速さで642年かかる距離ということ…。光年と言われると、なんだか時間の単位みたいに思えますが、距離の単位です。光は1秒で地球を7周半します。宇宙でもっとも早いのは光と言われていますが、その光で進んでも642年かかる距離ですから、滅茶苦茶遠い星だと思いますよね。
でも、宇宙の単位で考えると642光年は超ご近所!もうすぐそこ!って言っても良いくらいの距離です。
それだけ宇宙が大きいというわけですが、ベテルギウスは宇宙的に見れば地球から割と近いんだってことです。
画像:Pixabay
ベテルギウスは、めちゃくちゃ大きな星です。
ベテルギウスを太陽のある位置に置いたとすると、木星の軌道の近くまで達するほどの超巨大な恒星です。
つまり、太陽の位置にベテルギウスが居座ったら地球は飲み込まれてしまうってこと!
とんでもなく大きいんです。
[char no=”2″ char=”すぱもん”]ちょっとそれデカすぎるって[/char] [char no=”4″ char=”Miiko”]確かに大きな星だけど…もっとおおきな星もあるんだよー[/char] [char no=”2″ char=”すぱもん”]宇宙・・・こわすぎるんだけど…[/char]ベテルギウスは1等星で、明るい星なので双眼鏡や望遠鏡がなくても肉眼ではっきりと見ることができます。
晴れている冬の夜には赤く大きな星がはっきりと見えます。
とっても明るい星なんですが、ベテルギウスは明るさが変わる「変光」する星でもあります。0等星から-1.3等星まで明るさが変わることが観測で解っていて、他の変光する星より顕著に特徴が現れる星です。
地球から割と近くて、明るくて、大きな星!ベテルギウスですが、今「ベテルギウスが暗くなってる」と天文ファンや天文学者の間で話題になっています。
このニュースを聞いて、私もベテルギウスを見上げてみたのですが、確かに「もっと明るかったような気がします」というか、オリオン座の中でかなり明るい星だったのに、他の2等星より暗くなってるようにも思えました。
ベテルギウスは明るさが変わる星ですが、こんなに暗くなったことは観測史上初だそうです。
2019年の10月から12月の間に15%も暗くなったそうで、今までは全天で9番目に明るい星だったのに、21番目にまでランクダウンしたんです。
参考資料:Wikipedia
それはなぜなのか…。もちろんベテルギウスに行って見てみることはできないので、はっきりしたことは解っていないのです。
その理由がベテルギウスが今、注目されている理由の「超新星爆発」です。
超新星爆発とは、星が最後の時を迎えるときに大爆発して派手にお亡くなりになる現象です。
ベテルギウスのような質量が重い星の最後は超新星爆発だとされていて、超新星爆発が起きるとベテルギウスは満月より明るくなって「昼間でもみえる」ようになるんだとか…。
画像:Pixabay
そんな派手な大爆発をして、数年かけて明るさがなくなって、最後には見えなくなる…。そんな天体ショーが起こるかもしれないんです。
超新星爆発は遠くの天体では確認されているもので、決して珍しいものではないんですが642光年という至近距離の天体が超新星爆発を起こすのはとっても珍しい…。だから、天文ファンや学者が「ベテルギウス注目」しているんです。
ベテルギウスが超新星爆発を起こすのはほぼ確実です。ただし、問題はそれがいつ起こるのか…。
それは明日かもしれないし、10年後かもしれないし…。100年後かもしれません。そもそも、光の速さ642光年の距離ということは、今、空を見上げて輝いているベテルギウスの姿は642年前のものということです。
だから、もし今、ベテルギウスまで瞬間移動して観測できたとしたら、もう超新星爆発しちゃってるかもしれません。
ただ、それがいつなのかは解りません。星の一生の長さと、私たち人間が持っている時間があまりに桁違いすぎるのです。こればかりはどうしようもありません。
地球から比較的近いところで超新星爆発が起きたら…地球に何か悪影響がないのかも不安です。
超新星爆発の際に放出されるガンマ線バーストが地球を直撃したら…多分、地球上の生物のほとんどが死滅します。
というのも、ガンマ線をモロに食らったらオゾン層が破壊されて、最悪の場合、大気がなくなってしまうんです。そうなると宇宙から降り注ぐ有害な宇宙線がモロに地上に降ってきます。こうなったら、人類はほぼ確実に詰みます。
ですが、超新星爆発のガンマ線バーストの角度と地球の位置がずれているので、大丈夫だろう…。という観測結果が出ています。
ただし、超新星爆発の時にこの角度がずれなければ…の話。もし、角度がズレてガンマ線が地球に直撃したら…多分、私たちは生きてはいられないでしょう。
直撃しないことを祈るしかありません。
参考資料:Wikipedia
オリオン座の1等星ベテルギウス…超新星爆発するかもしれないと、今、注目されている巨大な恒星です。
超新星爆発すれば、明るさは満月の100倍になり昼間でも見えるようになるそうです。そして、数年後に空から消えてしまいます。
超新星爆発の時に放出されるガンマ線が地球に直撃すれば、大気が壊されて私たちは恐らく生きていられません。ガンマ線バーストに関しては角度がズレているので大丈夫とは言われていますが…。どうなるか、いつ超新星爆発するのかは誰にも解りません。