ウイルスに知能はあるのか?人の脳を操るウイルス・寄生虫7選

2020年3月現在、新型コロナウイルスが日本で勢いを増しています。

たしかにコロナウイルスの感染力には、恐ろしいものがあります。しかし世界には、それ以上に怖いウイルスがたくさんいることを知っていますか?

今回は動物のに入りこんで、宿主(やどぬし)の心や身体を操ってしまう世にも恐ろしいウイルスや寄生虫を紹介します。

あなたが「せき」や「くしゃみ」をしてしまうのも、猫を好きなのも、もしかしたら脳を操られているからなのかもしれません。

しかしウイルスといえば、電子顕微鏡でないとその姿を確認できないほどの小さな存在。もちろん、動物のような脳も持っていません。

ウイルスには頭脳も思考もありません。そんなウイルスに、人の脳を操るなんて高度なことがどうしてできるのか、不思議ですよね。

今回は、人の脳を操るウイルスや寄生虫を紹介し、どのように人間を操るのか、わかりやすく解説します。

※本記事は医療や健康に関する記事ではございません。症状・治療等におきましては所定の医療機関・医療従事者にご相談ください。

致死率100%!? 人や犬の脳を操る「狂犬病ウイルス」

脳を操るもっとも有名なウイルスは、狂犬病ウイルスです。

病名の通り、犬に多い狂犬病ですが、ヒトを含むすべての哺乳類に感染する可能性があります。発症した動物にかまれることで、ウイルスに感染します。

狂犬病の致死率は100%に近く、しかもいまだに治療方が発見されていません。1度発症したが最後、必ず死亡してしまう恐ろしいウイルスです。

狂犬病予防法が制定される1950年以前、日本国内では多くの犬が狂犬病と診断され、ヒトも狂犬病に感染し死亡していました。このような状況のなか狂犬病予防法が施行され、犬の登録、予防注射、野犬等の抑留が徹底されるようになり、わずか7年という短期間のうちに狂犬病を撲滅するに至りました。

出典:厚生労働省ウェブサイト 

このように日本では現在、狂犬病は確認されていません。しかし海外ではいまだに猛威をふるっている恐ろしい病です。

海外旅行では野犬にかまれないように気をつけ、またペットを連れていくときは必ず予防接種を受けさせましょう。

狂犬病を発症した犬は、さまようように辺りを歩き回り、目についたあらゆる動物にかみつこうとします。

かまれることで感染しますから、狂犬病ウイルスにとって非常に都合がいい行動です。宿主の脳を操っているとしか思えませんね。

ところで狂犬病は、あの吸血鬼やゾンビのモデルになったという説があるんです。コチラで紹介していますので、ぜひご覧ください。

自殺させて身体を溶かす!? 「バキュロウイルス」とは

バキュロウイルスは、昆虫の身体を操ります。

主にカイコなどの幼虫に感染するのですが、このウイルスに感染した幼虫は、木の枝といった高いところに登ります。

そしてそのまま樹上で死亡。その後、幼虫のはドロドロに溶けてしまいま

高いところにいると、虫をエサとするに見つかりやすくなり、食べられる可能性が高くなります。

ウイルスは鳥を媒介にして、より遠いところに広がります。

また身体が溶けて地面に飛び散ることで、さらにウイルスが拡散されます。

現在では、バキュロウイルスは宿主の遺伝子を改変して、行動を操ることがわかっています。

性行為をしたくなるのも、くしゃみをするのもウイルスや細菌のせい?

私たちが気づいていないだけで、実は身体を操られている……そんな可能性もあります。

性病として有名な「梅毒(ばいどく)」は、「梅毒トレポネーマ」という細菌によって起こる性感染症です。日本でもいまだに死亡者がでている恐ろしい病です。

妊娠中に母子感染する例もありますが、主な感染経路はやはり性行為です。

梅毒に感染すると、性的行動に変化が起こるのは有名です。これは感染者の性欲を高め、性行為の回数を増やし、感染を拡大させるためといわれています。

もっと身近な例では、風邪やインフルエンザ、そして新型コロナウイルス感染症の「せき」「くしゃみ」があります。

「風邪になったらマスクをしなさい」といわれるように、飛沫(ひまつ)感染・空気感染するウイルスは、せきやくしゃみによって爆発的に広がります。

これもまた、ウイルスが自身を拡散させるために人の行動を操っているといえるでしょう。

宿主の脳を操る寄生虫:猫好きは脳を操られている?

ウイルスや細菌以外に、寄生虫もまた宿主の脳や身体を操ります。

ここからはそんな恐ろしい寄生虫を紹介していきます。動画にはショッキングな内容も含まれていますので、苦手な人は気をつけてくださいね。

「ハリガネムシ」はカマキリを入水自殺させることで有名です。子どもの頃、うっかり見てしまってトラウマになった人も多いかもしれません。

カマキリからはい出てくるハリガネムシの動画

「ロイコクロリディウム」は、2019年に「ゾンビ・カタツムリ」としてネット上で有名になりました。

カタツムリの触角に寄生して、その触角をオレンジや緑色に光らせるのです。遠くから見ると、まるで蛍光色のイモムシのように見えます。

これは、「ロイコクロリディウム」の終宿主(最後の寄生先)が鳥だからです。

カタツムリの触手を、イモムシに似せることで、鳥に捕食させやすくしているのですね。

しかしその鮮やかな見た目は、なんとも不気味です……。

ロイコクロリディウムに寄生されたゾンビカタツムリの動画

あなたが猫を好きなのも脳を操られているから? 「トキソプラズマ」の恐怖

トキソプラズマという微生物は、ネズミの脳に入りこみます。

感染したネズミは、天敵であるはずのネコを恐がるどころか、ネコの前にやたらと姿を現すようになります。

これもネコが終宿主なので、ネズミの身体を操って、わざと捕食させようとしているのです。

トキソプラズマはヒトにも感染します。現在では全世界の3分の1以上の人が感染しているといわれています。

健常者が感染した場合は、免疫系の働きにより臨床症状は顕在化しないか軽度の急性感染症状を経過した後で、生涯にわたり保虫者となる。しかし、HIV感染患者などの免疫不全者には重篤な症状を引き起こすため、十分な注意が必要である。また、妊娠中の女性が感染することにより起こる先天性トキソプラズマ症は、死産および自然流産だけではなく児に精神遅滞、視力障害、脳性麻痺など重篤な症状をもたらすことがある。

出典:国立感染症研究所ウェブサイト

トキソプラズマはドーパミンと呼ばれる脳内の神経伝達物質を増加させて、ネコに対して「心地よい」「気持ちいい」といった感情を起こさせます。

今までネコが苦手だったのに、急にネコが好きになった人がいたら……トキソプラズマに脳を操られているのかもしれません。

ウイルスに知能はある?どうやって人を操るのか

ウイルスに脳はありません。

それどころか知能も意識も思考も持ちません。では、どうして人の行動を操れるのでしょうか?

それは、人の脳を利用しているからです。

ウイルスは、ロボットやプログラムと表現されます。コンピューターでたとえると、アプリなどのソフトウエアにあたります。

そして人間といった宿主の脳は、スマートフォンなどのハードウエアにあたるわけです。宿主の脳が高度であればあるほど、最新のコンピューターのようにスペックが高まりますから、より高度な思考・行動が可能になります。

人間のDNAの全情報(ゲノム)を電子データに変換すると、1GBになるといわれています。

ゲノムは、その人間の本質ともいえる全情報です。しかし今どき1GBのUSBメモリなんて、1000円もしませんよね。

たった1GBのプログラムで、人間という高度なハードウエアを操ることができるのです。ウイルスや寄生虫が、人の脳の一部を操ることなど造作もないのでしょう。

ウイルスは生物と非生物の両方の性質を持つ、不思議な存在です。どのように生まれたのかもわかっていませんが、生命の誕生と進化に大きく関わっていることは確かだといわれています。

新型コロナウイルス以上に恐ろしいウイルスや寄生虫は、私たちの日常のいたるところに潜んでいます。

このことを知ってしまったあなたの日常は、今までとは違った非日常に変わってしまうかもしれません。

新型コロナウイルスばかりに気をとられて、他のウイルスに脳を操られないように……皆さま、くれぐれもお気をつけください。

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