東京オリンピックでテレビやネットが盛り上がっていた7月29日。
日本から遠く離れたアリューシャン列島でM8.2という巨大地震が発生しました。一時、津波の可能性があるかもしれないとされていましたが、日本への津波はなほっとしたという方もいらっしゃったことでしょう。
アリューシャン列島は、日本から遠く離れたアラスカ州の南部にあたる場所でプレートの境界があるため、大きな地震が起りやすい場所でもあります。
また、距離的には日本か離れていますが環太平洋の一部ですから、このあたりで巨大地震が起った場合に、日本に津波が押し寄せる可能性がある場所のひとつでもあります。
アリューシャン列島の沖合では、2020年10月にマグニチュード7.6り地震。そして、2020年7月にはマグニチュード7.8の地震が起っています。
3年前のもマグニチュード7クラスの地震がありました。
地震の大きな揺れが日本に伝わるわけではありませんが、津波の危険はある・・・という場所です。
津波・・・と言う言葉を聞くと、私達、日本人はやはり東日本大震災を思い出してしまいます。
多くの犠牲者を出した東日本大震災で最も高かった津波は岩手県大船渡市に到来した、16.7メートルでした。ビル4回分に相当する巨大津波でしたが、今、解る範囲内で過去に起った世界最大の津波の高さをご存じですか?
実は、世界最大の津波を観測したのはアラスカ。
1958年7月9日にアメリカ合衆国アラスカ州のリツヤ湾で発生した524メートルの津波です。
地図でも見ても解るとおり、リツヤ湾は奥に入り込んだ形・・・つまフィヨルドの形状をしているのが解ります。
この巨大津波の原因は地震でしたが、地震の揺れで斜面が崩壊して海に落下したことで対岸に津波が押し寄せたというもの。
非情に急峻で奥行き約12km、幅約3kmという長方形の形状をしていること、そしてそこで地震が発生して岩や氷が崩壊して海に落下したのが原因。東日本大震災の津波とは発生のメカニズムが異なります。
524メートルという高さは、後に、付近の樹木が倒されているなどの痕跡から推測したものですが、とんでもない巨大津波だったことは間違いありません。ちなみに、このリツヤ湾では過去120年の間に5回もの巨大津波が発生しているのです。
もちろん、524メートルという高さは、ごく一部の場所のみでしたし、特殊な形状と環境がそろって起ったものでした。
リツヤ湾での巨大津波は、地震で崩落した岩や氷が海に落下したのが原因でしたが、実は日本で過去に火山が原因で津波が発生したことがありました。
「島原大変肥後迷惑」って聞いたことがある人ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。
1792年5月21日に長崎県の雲仙が噴火し山体崩壊を起こしました。崩壊した山体の一部が大量の土砂となって有明海になだれ込み最高で22メートルの津波が発生。対岸の天草を襲ったのです。そして、この時は返し波も発生・・・島原で津波の死者が1万人を超え熊本でも5000人が命を落としたという大災害でした。
この津波は、火山が噴火して土砂が海になだれ込んで起ったというもの。地震でなく原因は火山でした。
この噴火で有明海に流れ込み津波を引き起した岩塊の一部は今でも残っており、島原市街前面の浅海に岩礁群として残っています。地質学的には「流れ島」という形状です。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』リツヤ湾大津波
アリューシャンで大きな地震 マグニチュード8.1 津波調査中-NHK
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』島原大変肥後迷惑