世の中では、自然科学や常識では説明することのできない現象が時折起こります。これは「超常現象」と呼ばれ、世界中の人々の興味を引きつける存在となっています。
今回は、数ある超常現象の中から『シンクロニシティ』を取り上げ、これを深掘りしていきたいと思います。
「シンクロニシティ」、本記事は某有名アイドルユニットのソングレビューではないのでお間違いのないように。
それでは、あなたを不思議の世界へご案内。
シンクロニシティとは「意味のある偶然の一致」として、スイスの精神科医・心理学者であるユングによって提唱された概念です。
現代の定義では、「非因果的でありながら、”まるでなにか深い意味を持ったように”複数の出来事が起きること」。
これがシンクロニシティとされています。
ユングは「意味がある」とし、現代定義では「意味を持つように・非因果的」とされているため、両者間でシンクロニシティの定義にズレが生じているのが現状です (ここはシンクロしなかったんですね…) 。
それはさておき。
例えば、日常の中でこんな経験をしたことはないでしょうか?
映画やドラマでしばしば見かけるシチュエーションです。
「思いを寄せる人のことを考えながら街を歩いていたら、向かいからその人が歩いてきた」または、「普段深い関りのない人の夢を観たその翌日、その人から電話があった」など。
どこか非現実的なため、これが起きるとそのインパクトは強烈です。
例えば、ふと時計を見たら「5:55」、その後買い物をしたら会計額が555円だったなど。
これを”教示”と捉えてパチンコ店に駆けこむ人もいるようですが、その後「555」と揃うかどうかは神のみぞ知るところです。
上記の例はあくまで身近なシンクロニシティの例でしたが、世界では壮大なシンクロニシティの例がいくつもあります。
ここからは世界で起こったシンクロニシティの事例を2つ厳選してご紹介します。
これからご紹介する各事例を知れば、”いまひとつ信じられない”という方もシンクロニシティの存在を認めざるを得ないでしょう。
第二次世界大戦中の1944年6月6日。
ドイツの占領下にあった北西ヨーロッパ、この侵攻への突破口として連合軍によって実行された『ノルマンディー上陸作戦』。
延べ200万人に近い兵士たちがドーバー海峡を渡り、フランス・コタンタン半島のノルマンディー海岸に上陸しました。
半世紀以上経った現在も尚、人々に語り継がれている歴史上最大規模の上陸作戦です。
1944年当時、イギリスのグラマー・スクール (文法学校) の校長を務めていたレナード・ドーは、20年以上の長きに渡って英デイリー・テレグラフ紙 (The Daily Telegraph) のクロスワードパズル作成担当をしていました。
同年5月。ノルマンディー上陸作戦まで1ヶ月あまりというとき、このクロスワードパズルに登場するいくつもの単語が、連合軍関係者たちを混乱させる事態へと招きました。
クロスワードパズル中に登場した問題の単語は以下の通り。
上陸作戦において、上陸から後に実現されたパリ解放までの作戦全体のことを指す総称。
上陸作戦時に建設される予定であった仮設港のこと。
上陸作戦において、連合国軍が定めた上陸地点であるジュノー・ビーチ、ユタ・ビーチ、オマハ・ビーチのコードネーム。
これらの単語は、当時まもなく実行されるノルマンディー上陸作戦関連の極秘暗号や作戦名でした。
クロスワードによって浮かび上がった暗号は連合軍司令部しか知り得ないものであったため、イギリス軍情報局保安部MI-5はレナードがドイツのスパイではないかと疑い、真相究明のため尋問を行いました。
ほどなくして調査は打ち切られ、これらの単語はまったくの偶然により選ばれたものであると結論付けられたのです。
アメリカ歴代大統領の2人、エイブラハム・リンカーン (第16代) とジョン・F・ケネディ (第35代) 。
この2人には、あまりにも多すぎる偶然の一致があります。リンカーンとケネディ、奇妙ともいえる数々の一致は下記の通り。
リンカーンの後任アンドリュー・ジョンソンは1808年生まれ。ケネディの後任リンドン・ジョンソンは1908年生まれ (ちょうど100年)
思わずゾッとするほどの共通点の数。そしてその内容。
これをシンクロニシティと呼ばずしてなんと呼べばよいのでしょうか。
以上、世の中でごく稀に発生する偶然の一致、シンクロニシティ。冒頭でお伝えしましたが、ユングはこれを「意味のある偶然の一致」と提唱しています。
シンクロニシティは、ただの偶然とは思えないほどに偶然が重なります。そのため、”運命”や”必然”などと結びつきがちですが、その真相はいかに。。。