2011年3月11日。あなたは何をしていましたか?
日本を襲ったM9.0の自信と巨大津波。衝撃的な映像が世界中を駆け巡ってから10年が経ちました。今でも津波や地震の映像を見るのがつらいという人も多くいらっしゃるともいいます。
普段は穏やかな海が豹変する、津波。今回はその津波の怖さについて書いていきたいと思います。
地震などによって引き起される津波と、台風や恐怖で起る高潮や高波・・・。なんとなく似ているように思えるかもしれませんが、これは全く別物です。
まず、おそらく、一番よく見る高波。台風の日や風が強い日に波がバッシャーーンとなるアレですね。高波は基本的には回転運動で、寄せては返す波の大きいバージョン。ですから、高波が何キロも内陸に入ってくるということはありません。高波は海水の表面だけが動いているのです。
そして、高潮。これはちょっと津波っぽく思えるんですが、台風などで気圧が下がったときに海面が上がってくるというもの。普段、海を押さえている気圧という押す力が弱くなることで、海面が上昇するんです。ですから、高潮で浸水し洪水のようになって被害が出ることはありますが、津波のような猛烈な勢いで水が押し寄せるような事ありません。
そして、3.11でも起った津波。これは、地震で海底が陥没したり隆起したりしたときに海水にそのエネルギーが伝わっておこります。つまり、高波のような表面の海水だけが動いているのではなく、海底から海水が持ち上げられたり、水が引き込まれたりしているのです。
簡単に言えば、巨大な水の塊が陸に向かって押し寄せてくるということ・・・。だから、ものすごいエネルギーになるし、震源が離れていても到達することがあるんです。
高波も高潮も危険ですが、津波とは実は違うんですね・・・。
参考資料:知っているようで知らない。「高波」「高潮」「津波」の違い
津波の怖さは3.11の映像を見ていたらよくわかる・・・わけですが「あんなに高くなかったら大丈夫なんじゃない?」と思ってしまう人も中にはいるかもしれません。
確かに、東日本大震災で発生した津波の高さは最大40メートルでした。
ですが、いつもいつも海底が震源の地震で発生する津波が必ずここまでの大津波になるということではありません。中には、津波を発生させる地震が起っても高さが1メートルとか、30センチ程度の海面の変化というケースもあります。
ただ、津波の怖さはたった1メートルでも死亡率100%というなんです。
東日本大震災の被害実態などをもとに、内閣府が分析した浸水深に応じた死者率では津波に巻き込まれた場合、津波浸水深0.3m以上で死亡者が発生、津波浸水深1mでは死者率100%に達します。
たった1メートルでも死亡率100%。30センチでも命を落とす危険があるんです。津波に巻き込まれるということは、ただ、1メートル水に浸かるだけ・・・とは訳が違うということ。
津波の瓦礫で怪我をする危険もありますし、押し寄せた津波はまた海の方に戻ってきます。そして、なかれがとても早いので、巻き込まれたらそこから抜け出すことがとても難しいんです。
だから「1メートルくらい・・・30センチくらい・・・」と馬鹿にできないんです。
もし、海辺にいる時に地震が来たら、例え、津波の高さの予想が30センチだったとしても避難した方が良い。そのくらいものすごいエネルギーを持っているのが津波です。