世の中にはさまざまな音楽のジャンルがありますが、中でも”ゴアグラインド”という音楽を聞いたことがありますか?
”検索してはいけない”言葉として知っている人も多いかと思います。
”ゴアグラインド”と検索して出てくるのは、暴力、流血、ポルノといった要素を含んだショッキングなアートワーク…。
今回は、そんなゴアグラインドはどんな音楽なのかについて紹介します。
ゴアグラインドは、もともと”グラインドコア”という音楽から派生しました。
”グラインドコア(GRIND CORE)”のグラインド(GRIND)とは、英語で『すりつぶす、砕く』という意味です。
その名の通り、あらゆるものをすりつぶすようなグシャっとしてサウンドが特徴。
デスメタルで多用されるとても速いテンポのブラストビート、デスボイスの中でも”ガテラル”と呼ばれる独特の倍音を持った声が多用されます。
このへんの奏法や発声法が苦手な人は耐え難いかもしれません…。
グラインドコアは、ハードコアパンクとデスメタルを融合させたようなジャンルです。
イギリスの「ナパーム・デス」というバンドが起源となっており、後のバンドに大きな影響を与えました。
日本でもS.O.Bなどが1990年前後にグラインドコアの音楽性を取り入れており、独自の発展を遂げています。
そして、このグラインドコアにゴア要素を詰め込んだのが『ゴアグラインド』と呼ばれる音楽ジャンルです。
ゴア(GORE)とは”流血”や”血しぶき”という意味で、CDのジャケットには流血はもちろん死体や臓器、排せつ物などが描かれていることも…。
ドラム(特にスネア)は生音に近い音作りだったり、全体的にぐちゃぐちゃっと聴こえるようにわざと音質を落としていたりと特徴的な音楽性も持っています。
ゴアグラインドは現在ではグラインドコア界隈のメインストリームともなっており、 EXHUMEDなどの世界的に有名なバンドも出てきています。
ゴアグラインドは世間的に見るとアンダーグラウンドな存在ですが、世界的に有名なバンドも輩出しています。
王道の有名ゴアグラインド・おすすめバンドを紹介します。
カリフォルニア出身のゴアグラインド・EXHUMED。
ジャンルとしてはグラインドコアやデスメタル、スラッシュメタルに近いですが、ゴアグラインドの代表的存在としても語られます。
この曲は曲名の通り歌詞が結構スプラッターな内容なのですが、曲自体はこのジャンルにしてはシンプルです。
湿り気の強いシャウトやグロウルも聴きやすく、グラインドコア・ゴアグラインドに興味がある人はこのバンドから入るのがおすすめ。
イングランドのバンド、CARCASSもゴアグラインドを語るうえで重要なバンドです。
ハードコアパンクがルーツで、ハードコアパンクとデスメタルの残虐性をいち早く融合し人気となりました。
特に1stアルバム「REEK OF PUTRIFACTION」は今日のゴアグラインドのお手本的サウンドとしても知られています。
日本では”リヴァプールの残虐王”の名で知られ、ゴアグラインド以外にもメロディックデスメタルなどのシーンにも多大な影響を与えました。
オランダのゴアグラインドバンドです。
楽曲はゴアグラインドらしくほとんどが2分以内のショートカット、ゴアグラインドの王道を行く速いブラストビートとエッジの効いたギターサウンド。
曲間にはスプラッター映画に出てくるような生々しい叫び声が聞こえてきます。
そしてこのバンドはボーカルがまさに人外で、コポコポしたいわゆる”下水道ボイス”しか使いません。
その声は人間というよりもはや猛獣…。いったいどこから声を出しているのでしょうか…
有名どころを紹介したのでアンダーグラウンドなものもひとつ。
情報が少なすぎるため詳細は不明ですが、イタリアのゴアグラインド・HoU531。
この曲は特に王道のゴアグラインドにエクストリームなドラム、猟奇的なシャウトを織り交ぜており完成度も高いと思います。
普段エクストリームな音楽を聴く人は割と聴きやすい音かなと。
しかしこの曲はポルノや流血、カニバリズムの要素を含んだMVが衝撃的です。
臓器などはもちろん作りものでしょうが、そのクオリティが絶妙にアンダーグラウンド感があるというか…。
こんな映像、YouTubeにアップしても良いのでしょうか…
日本のゴアグラインド・JK肉壺切断。日本のグラインドコアシーンでは知らない人はいません。
ジャンル的には”ポルノゴアグラインド”とも呼ばれているようです。
ゴアグラインドは残虐な音楽ですが、しばしばこのようなギャグテイストなバンドというか、ハッピーなバンドが現れるのも特徴です。
ちなみに、Gt&Voの鬼尻毛たっくんさんのソロ”onisirige”ではこんなこともしています。非常に興味深いプロジェクトです。
グラインドコアから派生した”ゴアグラインド”という音楽ジャンルについて紹介しました。
”検索してはいけない”シリーズでも知っている人はいたと思いますが、意外と歴史は深く、さまざまなバンドがいます。
しかしその音楽性はもちろん、アートワークやMVは非常にショッキングなものなので食事の前後にはあまり見ない方が良いかもしれませんね…