音楽で表現するのは愛や希望だけでなく、時には死や絶望といった人間の負の感情を表現する場合もあります。
アーティストは曲はもちろん、MVにも曲の世界観を表現しますよね。
今回は、お茶の間で目にすることはないであろうホラー・グロなどの要素を含んだMV・PVを紹介します。
※(この記事は邦楽編です)
まずはグロや性的なシーンを含むMVです。
日本ではレコード会社や事務所の規制が厳しいところが多く、こういったプロモーションは少ないように感じます。
しかし日本独特の音楽ジャンルであるヴィジュアル系(V系)ではしばしばグロ要素を含むMVが作られています。
日本だけでなく海外でも絶大な人気を誇るDIR EN GRAYの「OBSCURE」という曲です。
DIR EN GRAYのMVはグロや性的なコンテンツなどが含まれているものが多いですが、そのどれもがアーティスティックで独特の世界観を持っています。
中でもこの曲のMVは流血・食人・嘔吐などグロ要素が特に強く、閲覧注意です…
ヴィジュアル系バンド・己龍の朱花艶閃(しゅかえんせん)のMVです。
ラウドロック・ハードロックなどをルーツに、和のテイストをミックスしたサウンドが人気のバンドですが、このMVは腕の切断・その腕を食べるといった狂気的なシーンが特徴です。
楽曲は己龍らしい激しいサウンドに妖艶な歌が印象的ですが、MVを見るととてもおどろおどろしい曲に思えてきます…
ヴィジュアル系期待のホープ・Dezertの「胃潰瘍とルソーの錯覚」。
このMVは子供のころから女装願望・または女性の心を秘めていた主人公が大人になった後のストーリーを描いています。
ネットで「自分を殺してほしい」と募り、訪れた人を殺すシーンは衝撃的です。
主人公はそれを繰り返しているのでしょうか。冒頭の骨や肉を煮込むシーン、ごみを捨てるシーンは死体の処理を連想させます…。
ヴィジュアル系バンド・キズの「0」という曲です。MVは一般人がさまざまなクイズに挑戦する架空の番組がテーマになっています。
番組の内容は、クイズに正解できないと自らの頭に銃を押し当て、いわゆるロシアンルーレットをするという狂気的なもの。
しかもそのクイズ、「あなたのまわりの世界は平和ですか?」といった、一概に正解が導けない意地悪なものなんです…。
そんな問題ですから、最後には挑戦者全員が死んでしまい、残るは司会者の男女だけとなりました。
終始笑顔で番組を進行していた男性の司会者は、笑顔で女性司会者を撃ち、最後には自分の頭を撃ちぬくという最悪のエンディング…胸糞注意です…。
続きまして、グロ以外の「怖い」要素を含むMVです。
いかにもホラーな怖い曲から、意外なあのアーティストまで…さまざまな角度から「怖い」MVを紹介します。
「カブトムシ」など女の子の純粋な恋心を歌ったヒット曲が多数のaikoさん。
わずか2カ月で別れてしまった元カレを忘れられず、ストーカー行為に及んでしまう主人公。
その行為はエスカレートし、元カレの部屋に忍び込んでは髪の毛を食べるという狂気的なワンシーンに戦慄しました…。
アップテンポな曲調とaikoさんの爽やかな歌声からは想像できない、怖いMVです。
奇抜な歌や見た目で唯一無二のスターとなった椎名林檎さんのミニアルバム「絶頂集」に収録されているこの曲。
フワフワとした曲調でMVもそんな雰囲気になっているのですが、歌詞の解釈はさまざまな説があり、解釈によってはMVもとても怖く見えてきます。
例えばタイトルの「メロウ」はストレートに解釈すると「mellow」となり「豊かで美しい」となりますが、一説には「女郎(めろう)」と解釈することもできるようです。
本来なら「じょろう」と読み、遊郭で働く女性を表す言葉が転じて女性をののしる言葉として使われています。(男性でいう「野郎」)
この曲の解釈は本当に数多くあり、特に怖くないものもあるので興味があれば調べてみてください。
ホラー×ヒップホップの「ホラーコア」。
B級サスペンスホラーのようなMVの世界観、不気味なボイスエフェクト、抑揚の少ない曲展開全てが得体のしれない恐怖感を煽ります。
精神病、獄中生活などアンダーグラウンドヒップホップの危うい魅力のつまった一曲です。