前編では私が17歳~18歳の頃に出会った陰陽師さんと、当時の摩訶不思議な出来事について紹介しました。
そして、いよいよ最終話になりますが
前編で、私と陰陽師さんが一切会話していないことにお気づきでしょうか?
一応さらっとは触れたのですが、ハッキリ言ってむしろ避けられたと言っていいです。
前回も書きましたが、目も合わせない、話もしない。そんな感じの態度です。
私自身も若い頃だったので、正直真面目な好青年みたいな格好ではありませんでした。しかし、それは他の同僚も同じです。
おそらくですけど僅か1週間で4回ほど。徳島県のとある会社に来たこの陰陽師さんと一言も話さなかったのは唯一私、オカルトマトだけでした。
もう1回だけ書いておきます。引かないで下さい。。
はい。
もう答えから入りましょう。
陰陽師さんが私と一切話さなかったこと、むしろ目も見なかった原因は陰陽師さんが帰った後に社長から聞きました。
「オカルトマトな、お前犬神憑いてるらしいぞ?それもかなり力の強いやつ。陰陽師さんは狸を持ってる人やからな、お前と話したり近づくだけで犬神が狸を襲うらしいわ。やから全然話せん。出来ればあの子はおらんとってくれとまで言われたんやけどな。はははー爆笑」
・・・・。
「はははー爆笑」じゃないでしょと笑
ここまでさんざん、忌避された存在であることや、過去の起こりを解説してきてなんですが、
私、犬神が憑いてるらしいんです。
もちろん真相は謎ですし、15年前くらいなので今もいるかは分かりません。
ただ、当時唯一出会った陰陽師さんが私と話さなかった理由は、私自身の格好や態度がどうこうではなく
この陰陽師さん曰く見える私に憑いた犬神に畏怖していたみたいです。
しかし、この後流石に気になったので社長にもう少し詳しく話を聞いたところ、一般的に言われている犬神とはまた少し違う解釈の存在でした。
陰陽師さんが社長に話した内容をそのまま書くと
ざっと挙げるとこんな内容です。
犬神の解釈を色々と紹介してきましたが、誰にでも動物が憑いていることについては、この時に社長を通じて陰陽師さんから聞かされた話です。
つまり、私と陰陽師さんは非常に相性が悪いということですね。
さらに細かく言うと、いわゆる霊的な相性と人間的な相性は比較的近くなるそうです。
例えば、人間関係で本当にどうしても仲良くなれない人っているじゃないですか?いわゆる生理的に無理と感じる人のことらしいのですが。
そういう関係は大体その人の動物の相性によって無意識下で本人に伝えて感じ取っているそうです。
ついでに言わせて頂きたい。オカルトマトの名誉の為に。
「犬神憑きは富栄える」・・・。
私は富もないし栄えてもないです。あと、いきなり遠吠えとかもしないです。
何が言いたいかと言うと
私自身が現代の陰陽師さんから聞いた犬神という概念と、よく民間伝承で伝わっている犬神の在り方が全く違うんですよね。
もし、仮に私が犬神憑きであれば富み栄えているので、とっとと豪邸を建てて周囲から嫌われながら好きな人と好きなように暮らしているはずです←
っとまあ、冗談のような本当の話なんですけど、他にも現代の陰陽師さんから聞いた犬神の特徴について紹介しようと思います。
私自身の過去回想はこの辺りにして、再び解説に戻ります。
陰陽師さんいわく犬神の習性は悪いことばかりではないそうです。
まず、犬神が憑いている本人が「好き・嫌い」という判断と犬神が周囲に与える影響に関係性がないとのこと。
つまり、私の場合であれば、私が好きだとか嫌いだという感情を持つことと、犬神が影響を及ぼすことについては直接的に関係させられない。いわば制御不能の暴走モードです。
逆に言えば、私に強い犬神がいるからと言って、弱い犬神を持つ人を全員支配下におけるか?というとそこもまた違うようです。
あくまでも私が聞いた話なので”(らしい)”とつけさせて頂きます。
犬神の習性として、自分が憑いた人間に関しては守り神として働くそうです。いわば守護霊のような考え方に近いと思うのですが、自分が宿っている=自分の子として見るそうです。
私の霊的な親?は物凄く強いらしいので、そんじょそこらの問題では苦にならないとのこと。また、何かしらが原因で何かを失った場合には、それ以上の物を与えてくれるそうです。(ラッキー)
犬神が周囲に影響を与えないかというと、やはりそうではありません。
ただし、先に書いたように私自身が判断するのではなく、1個の存在として犬神自身が判断をするそうです。
他人への影響についても社長を通じて現代の陰陽師さんは教えてくれましたが、犬神自身が敵だとみなした相手の人はやはり幸福度が落ちるようです。逆に、犬神が仲間だと判断した人は幸福度が上がるのだそうです。
ここで言う「幸福度」は身体的な問題ではなく「金銭」「恋愛」「人脈」に関わるらしく相手を噛んだりする訳ではないとのこと。
いわゆる易のような考え方に近いのかも知れません。
こんなに強い犬神が憑いているとかいきなり言われてしまうと、流石にビックリしますから真剣にお祓いについても聞きましたが、結果から言えば「お祓いで代わる存在ではない」とのことでした。
現在でも徳島県三好市の神社では祈祷をしているそうですが、陰陽師さんにも流派的なものがあるのですかね?特にそういったことをする必要や心配はないと言っていたそうです。
※ただし、自分自身(陰陽師さん)は霊的に敵対される可能性が高いため、最初から最後まで近づきたくはなかったそうですが・・・※
これもまた一般的に言われている犬神とは違う特徴です。
陰陽師さんは人間には最初から4種類の動物が憑くと言っていたのですが、それはいわゆる受胎状態(赤ちゃんとして母親のお腹にいる段階)で決まるそうです。
どうやって決まるのかまでは聞いていないのですが、血筋や家系は嘘だとその陰陽師さんは言っておられました。
ですから、家族間の不仲なども後天的なもので、守護している動物の相性が悪いと人間性には亀裂が生まれることから家族の間でも仲違いすることは普通にあるそうです。
厳密に言えば、動物が憑くことと守護霊は別の存在であることも言っていたのですが、守護霊についてはそもそも近づきたくないから聞けてもいないです。。
※守護霊を視るには、同僚の家族を探した時のように手を握る必要があるそうです※
そりゃ、その場に居てほしくないと思われてたほどなので守護霊を視るなんてことは出来ないですね笑
全5話でお送りしてきた犬神の系譜シリーズもこれで終幕となります。
結論から言えば、やはり民間伝承や地域の特徴、考え方はそれぞれ異なっており端的に「犬神」という存在=「悪」ではないような気もしています。
土着信仰や陰陽道にも流派があるように、犬神に対する考え方も時代や地域によって変化しているようにも思えます。
ですが、平安時代などには実際に呪詛として扱われてきた歴史や、医学的な問題での差別問題への繋がりがある可能性もありますので、あまり声高に「犬神筋」だと言う風習は薄れつつあるのかもしれません。同様に、犬神家という概念も、さらに時代が進めば風化していく可能性もあるかもしれません。