今や掃除機や自動車など、私たちの身近なところでAI(人工知能)が活躍しています。
AIは計算や予測など様々なビジネス分野にも活躍の場を広げており、人間になり替わり仕事をしているものすらあります。
人間の生活を豊かにするため、今後AIが人類の領域にもっと入ってくるのは自然な流れだといえますよね。
そんな中、皆さんはAIがどこまで人間のしていることに介入してよいと考えますか?
今回は、AIが人類になり替わり政治や経済を動かすことについて考えていきたいと思います。
今回は「将来、もしAI(人工知能)が政治をすることになったら」ということを考えていきます。
ストーリーとしてはこんな感じ。
AIが飛躍的に進歩し、もはや人類の仕事の大半をAIが担うようになった。
AI搭載のコンピューターによって高い精度で経済の予測ができるようになり、政治家の大半は人間ではない。もはや大統領すらもAIである。
そのAIは、国民が相対的に幸福になる政策を導き出し、あらゆる政策を決定する。
コンピューターには個性も利害関係もないため、各国が争うこともなくなった。
AIが政治を主導することについて、今やどの人間も確かな反論ができていない。
AIの進歩が目覚ましい現代。
何年後になるかはわかりませんがこのような未来がくることもじゅうぶん考えられます。
しかし、現在「AI搭載の機械が政治を主導する」ことに抵抗を感じる人も多いのではないででょうか。
私たちは現状でも生活に関わるほとんどのことをコンピューターに頼っています。
銀行の取引記録、その他様々な企業のデータ管理はコンピューターが行っています。
では、皆さんが普段よく乗る電車や飛行機はどうでしょうか。
漠然と「人間が運転している」と思う人もいるかもしれませんが、それらはほとんどコンピューターで運転されているのです。
離着陸はコンピューターによって制御され、緊急時以外パイロットはほとんど舵を取りません。
したがって、AIが政治や経済を動かすことはそれほど突拍子もないことではありません。
事実、現在でもエコノミストは様々な予測をAIやコンピューターに頼っており、その情報をもとに動いているのです。
とはいえ、単純に全ての政治家をAIにしてもよいというわけではなさそうです。
AIは政治の最終目標をどのように定めるでしょうか?
できるだけ多くの人が幸せになるのがよい世界かというと、そうとも言い切れませんよね。
このふたつの世界のどちらがよいか、計算によって簡単に答えは出ませんよね。
結局人類が豊かになるための政治ですから、その決定は人間が行わなければなりません。
法律や国の予算決定、内閣総理大臣の選定が現在の政治家の大きな仕事です。
しかしAI政府が実現すると人間の政治家の役割は大きく変わってきます。
前述した「政治の最終目標を決める」という仕事が人間の大きな役割となるでしょう。
日本は民主主義の国ですが、単に多数派の意見に従って目標設定をするのか。
少数派の意見も考慮するべきなのか。
この問題を解決するのは、現状AIでは難しそうです。
AIが生活に根付いてきており、政治や経済を主導するのもそう遠くない未来に思えます。
しかしAIの発展に関わる研究や探求も、すべては人類がより豊かになるためのもの。
AIがそれすら解決できるようになるまで、私たちは「何を目指せば人類が総体的に幸福になるか」を考え続けなければならないのです。