北欧神話とゲルマン神話において最高神とされるのがオーディンという神様です。
ギリシャ神話などで言えば「ゼウス」、日本で言えば「天照大神」といった位置づけになりますが、北欧神話という世界観は少し特殊であり、決まった『国』というよりも、バイキングなどを含めたアーリア人種によって信仰されてきた神ですので、神話の成り立ちは少し複雑です。
しかし、北欧神話に登場するオーディンを始めとした有名な神々は近年の映画やゲームなどで多数登場しているので、名前だけは聞いたことがあるという人も多いでしょう。
今回は最高神オーディンの凄さについて紹介していきたいと思います。
※私自身も北欧神話を最初から知っていたわけではありませんので、少し解釈の違いがあるかもしれませんがご了承下さい。
画像引用元:オーディン
そもそも、どうしてオーディンという神様がどうして凄いと言われているのかをご存知でしょうか?
たとえば先に例に出した『ゼウス』などであれば、雷を武器に持ち、オリンポスの神々の中で最強と言われていますよね。
しかし、オーディンの凄さは自身の強さに全てがあるわけではないんです。
最高神であることは間違いないのですが、北欧神話で最強の神と言えばオーディンの息子であるトールと言えます。
北欧神話におけるオーディンの凄さは、所有物やその貪欲な知識欲に表されています。
分かりやすく言えば、『知識オタク』です。
また、オーディンが司るとされている概念は数多くあり、『戦神』『魔術と狡知』『死と霊感』などの神だとも言われているのです。
オーディンを語るには一言では足りませんが、まずは所有物について紹介していきます。
画像引用元:オーディン
オーディンが所有している物の中で、もっとも有名なものは『グングニル』と呼ばれる魔法の槍。
この魔法の槍は狙った的を外すことなく、さらに槍で示した先にいる軍勢を勝利に導くという効果も持ち合わせています。
そしてオーディンが腕輪に付けているのは『ドラウプニル』と呼ばれる黄金で出来ており、8夜に同じ8個の腕輪を滴らせてオーディンの富を減らすことはありません。
さらに、オーディンが所有している馬は8本の脚を持っている『スレイプニル』という神馬です。
この馬は、空も自由自在に飛べる上に、北欧神話の世界では区切られている死者の世界にいくことも出来るという「どこでもドア的な存在」なんですね。
オーディンはこの他にも『フギン(思考)とムニン(記憶)』と呼ばれる2羽のカラスを持っており、常に地上世界を監視して情報を集めていると言われています。
オーディンの膨大な知識の中に、ルーン文字の秘法があると言われているのですが、これを習得するためにユグドラシルに向かったオーディンは自身が最高神であったため自分を生け贄に捧げ、9日間に及ぶ儀式の中でグングニルに刺され続けたという逸話が残されています。
他にもオーディンは自分自身の知識欲のために、ユグドラシルの根本にある『知識の泉』の水を飲む代償に自分の片目を捧げたというものです。
これがオーディンが隻眼になった経緯だとか。
オーディンは自分の知識と所有物の力によって来たるべきラグナロクに向けて亡くなった戦士の霊を自分に属させるという役目も持っていますが、少し怖いお話も。
オーディンのいわゆる役目としての部分には、さきほど紹介したラグナロクと呼ばれる神々の最終戦争に向けてヴァルハラに戦士を集めるというものがあります。
オーディンの眷属となった戦士はいわゆる『狂戦士(バーサーカー)』の状態になり、尋常じゃない力を発揮するのだとか。
こういった背景があるためオーディンには英雄の守護神という側面がある一方で、自分の気に入った戦士を故意に戦死させてしまうこともあるのだとか…。
北欧神話の信仰において戦死者がヴァルハラへ招かれるのは、これ以上ない光栄だという強い信仰があったことから、オーディンへの信仰は死神の側面があってもしばらくは続いていたと言われています。
他にもオーディンにまつわるエピソードは沢山あるのですが、それらは今後紹介していこうと思います。