これまでも、【天王星よりもっと遠い!外縁天体とは?】や【地球そっくりの惑星があった?!ケプラー1649cに人類はたどりつけるの?】といった宇宙の話しをいろいろとご紹介してきました。
宇宙のスケールの大きさは私たちの想像も常識も超えているわけですが、今回ご紹介するのは宇宙の中ではかなりの至近距離にある太陽系の星”冥王星”です。
冥王星は、1930年に発見された天体で2006年までは太陽系の第9番目の惑星だとされていました。
ですが、2006年に冥王星は、惑星ではなく準惑星・・・外縁天体という天体のひとつだと位置づけられ、太陽系の惑星から外されてしまいました。
とはいっても、人間がどんなカテゴリーに分類しようと冥王星に何か変化があるわけではありません。
太陽系の惑星だと言われていたのに・・・どうして、冥王星が太陽系の惑星から外されてしまいまった理由は、
という点です。
実は、惑星にはいくつか条件があってその中の一つに「その周辺の天体より大きい」というものがあります。
冥王星より大きなエリスという天体が発見されてしまったこと、そして、もともとの冥王星のサイズが地球の衛星である月よりコンパクトだったことを判断して「冥王星って第9惑星じゃなくて外縁天体じゃん」ということになったわけです。
エリスは、太陽系の10番目の惑星ではないかともいわれていたのですが、エリスが10番目の惑星になるのではなく、冥王星を惑星が外すという判断になりました。
まぁ、早い話が冥王星に似たような天体が他にもあったんですね。ただ、エリスが発見されたのは2003年、冥王星は1930年には発見されていたので、惑星として認知されたという側面もありそうです。もし、冥王星が今と同じ位置でも、地球位のサイズだったら・・・もしかしたら冥王星は惑星のままだったかもしれません。
太陽からも地球からも遠く離れている冥王星・・・。
冥王星は地球から約48億kmの距離にあり、光の速さで5時間半かかるところで太陽の回りを回っています
ちなみに光は、1秒に30万キロも進むのですが、その光と同じ早さで出かけても5時間半ですからなかなかの距離です。もちろん、宇宙のスケールからすれば光の速さで5時間半はすぐそこ。ですが、私たちが人類にとっては途方もない距離・・・。
NASAの探査機は9年以上かけてやっと冥王星にたどり着いたのです。
ちなみに、冥王星の14等級以下ですので残念ですが、肉眼で観測することはできません。口径30センチ以上の望遠鏡があれば、冥王星の光の点をみることはできます。
そして、太陽から遠く離れている冥王星の気温はマイナス220度・・・人類が住むのは無理そうですね・・・。
惑星ではなくなってしまっても、冥王星の魅力がなくなってしまうわけではありません。
実は冥王星ってちょっと面白い星なんです。冥王星にはカロンという衛星があります。地球でいえば月ですが、この衛星のサイズが冥王星の半分以上あるんです。
地球は月の約3.6倍ですから、冥王星にの半分もあるカロンはかな大きな衛星といえます。
衛星のサイズが大きいので、冥王星はにお互いの回りを回っている二重惑星だという人もいます。二重惑星について明確な定義はありませんが、お互いの回りを回っている惑星をこう呼ぶことがあります。
今回は、2006年に太陽系の第9惑星から準惑星・・・外縁天体という天体に降格されてしまった冥王星についてでした。惑星ではなくなってしまった冥王星ですが、実は冥王星の近くにエリスという同じくらいのサイズの天体があったこと。そして、冥王星の大きさが月より小さいことなどがその理由でした。
今は準惑星とされている冥王星ですが、カロンという大きな衛星をもっており、二重惑星とも言われています。
地球から遠く離れた極寒の天体・・・どんな世界が広がっているのでしょうか。
参考資料:冥王星は距離が遠く極寒の星だが魅力はある!【準惑星に降格された】