世界の七不思議において、建造物の技術や文明の源流となったと言われているのは、マケドニア帝国の王であったアレクサンドロス大王による世界征服でした。
この流れにおいて成立したものはヘレニズム時代と呼ばれており、多くの文明が混じり合った結果として、技術力などが大きく発展したと言われています。
そのような時代背景の中で、アレクサンドロス大王による統一とヘレニズム時代の影響を受けていない時代に既に完成していたのが
世界の七不思議の中でも、最も歴史が古く、最も巨大な建造物である「ギザの大ピラミッド」です。
レイラインの考察においても一度このピラミッドの配置については取り上げましたが、今回は現存する唯一の世界の七不思議である「ギザの大ピラミッド」について、もう一度考えていきたいと思います。
古代エジプト文明の象徴とも言えるピラミッドや神殿には、既に風化してしまったものや廃墟化してしまっている遺跡も数多くあります。
またピラミッドの建造に関してはなんと1000年ほどの長期間に渡って造られたと推定されており、その数は全部で80を超えるそうです。
その中でも、最も巨大であり、今も多くの謎に包まれているギザの大ピラミッドは紀元前2550年頃から2470年頃に歴代ファラオによって造られたものだという研究結果が出ています。
この約120年の間に継続して造られたのか、それとも短期間に造られたのか?
こんな事を考えるだけでも「古代エジプトの技術力」には驚かされるばかりです。
さらに神秘的な話として、ギザのピラミッドは現在「赤茶色」という感覚が強いですが、本来の姿は一面白い石灰岩で化粧石が施されていたという説もあります。
これらの装飾加工は、ギザのピラミッドの一部だけではなく、当時のエジプト遺跡群において数多く見られるものだそうです。
いずれにせよ、最も巨大なクフ王のものであるとされている大ピラミッドは約4000年の間”世界で最も高い建造物”であったことは事実なのです。
古代エジプトのファラオがおそらく自身の威信と国家の総力を挙げて作ったであろうピラミッド建造の理由は、何よりもその死生観にあるという説があります。
例えば、クフ王のピラミッドの前面と考えられている部分には、木造の船が一緒に納められており、これは「死後の船出」のためだとも考えられているのです。
ピラミッドの埋葬品と言えば、多くの装飾品などもですがミイラの文化も外せません。
古代エジプトにおいて偉大なファラオ達は死後肉体から魂が離れても、【死後の世界で再び王や神として生きる】と考えられていたことは多くの研究者が指摘しています。
ピラミッドなどに残された多くの壁画などを見るとそれら死後の世界の信仰があった様子や、死後のファラオであると思われる壁画なども見ることが出来ます。
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[amazonjs asin=”4309762441″ locale=”JP” title=”図説 エジプトの「死者の書」 (ふくろうの本)”]先に紹介したように、紀元前約2550年という古代文明の遺跡であるにも関わらず、ピラミッドの測量と建築技術は非常に高度であったことで知られています。
ピラミッドは正確に東西南北にその各側面を向けており、これは当時の天文学の正確さを同時に表わしているとも言われており、星の位置関係から方角や底辺位置などを測量した上で、平均が2.5トンとも言われている巨大な石を切り出し、正確に積み上げていったというのが通説ですが、約150メートル近い大ピラミッドなどであっても誤差が非常に少ないことが確認されているのです。
さらにこれらの材料になった石の採取場所や運搬にも謎が多く残っています。
化粧石に使われた石灰岩は近くに石切り場となった跡地が発見されていますが、内部に多く使用されている花崗岩はピラミッドの並ぶ場所から南へ約900キロも離れたアスワンという場所から運んで来たという説があり、この説が正しければナイル川の水流を利用して運ばれた岩を加工しているのです。
クフ王の大ピラミッドに使われていると推定されている石の数は驚きの約2,300,000個という数です。
加えて内部、地下などにも回廊が作られており、この大掛かりな工事に動員されたとされる労働者の数は2万人~3万人とも言われています。
そして、ピラミッド建設における最も不可思議な点ですが、歴代のファラオが命令を出してピラミッドを建設したとしても、「誰がどのように設計したのか?」という問題は未だに解決されていません。
エジプトのピラミッドはファラオが作ったと言われているものの、それはあくまでも指導的な意味であり、これらの技術の根幹は謎に包まれています。
ギザの台地の調査と、当時を再現する地図の作成に加えての研究は17世紀ころから本格的に開始され、今現在でも続けられています。
考古学的にもこのピラミッドの謎の焦点となっているのは主に2つ。
という点です。
ピラミッドそのものの建造目的は「王であったファラオの遺体の保護」という説が非常に濃厚です。
しかし、詳細な製造工程やピラミッド事業を”成功させた功労者”は未だに砂の中に眠っているのです。
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