発売から20年以上経っても、世界中の人を夢中にしている『ポケモン』シリーズ。
ポケモンシリーズではそれぞれ、強力で珍しい『伝説のポケモン』というものが存在します。
その中でも初代ポケモンに登場する『ミュウ』と『ミュウツー』。
ストーリーの中でも強敵として立ちはだかるこの2匹のポケモンですが、どのような都市伝説があるのでしょうか…。
ポケモンの覚えるあらゆるわざを使うことのできるミュウと、全てのポケモンの中で最も凶暴なミュウツー。
とても強力な能力を持ち、続々と新たなポケモンが登場している現在でもトップクラスに強いポケモンです。
そんなこの2匹のポケモンを生み出したのは、カントー地方のシオンタウンに住む『フジ老人』という人物だという噂があるのです。
フジ老人は人間に捨てられたポケモンを保護しながら、シオンタウンで静かに暮らしています。
町の住人からは尊敬され慕われているフジ老人ですが、なぜこんなうわさがあるのでしょうか。
フジ老人はもともとシオンタウンの住人ではありませんでした。
また、ストーリーの中では雑誌の取材を断る描写があり、過去を隠しているようにも見えます。
フジ老人の過去を調べていくと、ミュウ・ミュウツーとの関係が明らかになっていきます。
フジ老人はシオンタウンに来る以前、グレンタウンという町に住んでいました。
グレンタウンは海に浮かぶ小さな島で、この町のポケモンジムリーダーのカツラとフジ老人は親交も深かったようです。
グレンタウンにはかつて『ポケモン研究所』という研究所があり、そこには『フジ』という名前の研究者がいたことが明らかになっています。
この『フジ』という名前の研究者は、フジ老人と同じくカツラと親交がありました。
このことから、ファンの間では「フジ博士とはフジ老人のことではないか?」という都市伝説が出回ることになります。
しばらくは単なる都市伝説として確証のない噂でしたが、2013年に放送された『ポケットモンスター THE ORIGIN』にてフジ博士とフジ老人は同一人物として描かれます。
これにより、『フジ博士=フジ老人』説は、数少ない公式が認めた設定となりました。
ポケモンやしきでは、フジ老人が残した日記を読むことができます。そこには、ミュウとの出会いやミュウツーの誕生が記されていました…。
ポケモン研究所でポケモンの遺伝子研究を行っていたフジ博士。
探求心から遠いジャングルまで出向き、そこで幻のポケモン・ミュウと出会います。
しかし、全てのポケモンのDNAを持っているミュウは恐ろしいほど可能性を秘めていると考えたフジ博士は、その探求心を押さえることができなくなってしまいます…。
ミュウの遺伝子を研究するうち、最強のポケモン・ミュウツーが誕生。
しかしミュウツーは凶悪すぎてフジ博士の手に負えず、ミュウツーはどこかへ消えてしまいました…。
ゲームではストーリークリア後、『ハナダのどうくつ』という場所の最奥地には野生のミュウツーがいます。
このどうくつはストーリークリア後でしか立ち入ることができず、出現するポケモンはカントー地方でも最高レベル。
ミュウツーは、より強い相手を探してこの洞窟の奥地にたどり着いたのでしょうか…。
初代ポケモンの数年後、2003年に発売された『ポケットモンスター・エメラルド』では、特殊なアイテムをもって『さいはてのことう』という場所に行くことができます。
ここではミュウと遭遇できるのですが、看板にはこう残されていました。
…がつ6にち ここに たちいる にんげ…が ふたたび …らわれるとすれば
こころ やさし…で あらんことを …こに そのねがいを しるし この …を あとにする …ジ
この看板の『…』という部分は古くなって文字が読み取れないのですが、これを解読すると以下のようになります。
9月6日 ここに立ち入る人間が再び現れるとすれば、心優しい人間であらんことを。今ここにその願いをしるし、この地を後にする。 フジ
自分の身勝手な研究によって怪物を生み出してしまったフジ博士は、二度と同じ過ちを繰り返す人が現れないように、さいはてのことうにミュウを逃がしたのではないでしょうか。
ミュウツーは、若き日のフジ老人が生み出してしまったポケモンです。
恐ろしい力を持ったポケモンですが、その強大すぎる力ゆえにわかりあえる人もいなかったのかもしれません。
ハナダのどうくつで1人たたずむミュウツーの姿はどこか悲しく、人間のエゴによって生まれた悲しいポケモンといえます。
フジ老人はその罪悪感から、死んだポケモンの魂がさまようシオンタウンで身寄りのないポケモンを保護しているのかもしれませんね…。