「鬼・河童・天狗」日本3大妖怪は誰が決めたのか

日本妖怪の中でもひときわ輝きを放つ日本3大妖怪。

妖怪の中でも全国各地で名を聞く存在であり「日本3大妖怪」という言葉を知らなくとも、何となく名前が出てくるほど有名な妖怪たちで構成されています。

しかし日本3大妖怪といってもいったい誰が定義したのでしょうか?

実は最近の人であることなどは広く伝わっておりませんので紹介していきます。

作家・多田克己

実は日本3大妖怪を定義したのは室町時代などの何百年も前の方ではなく1961年生まれの作家「多田克己」という方になります。

といってもただの作家ではなく妖怪に関する知識が常人ではない方です。

また世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員、妖怪図鑑の編者でもありますので妖怪に関するスペシャリストでもあります。

ではなぜ「鬼・河童・天狗」の三体が日本3大妖怪と言われるようになったかというと、絵巻物や物語で登場する機会が圧倒的に多く知らない人がいないほど有名であるため3体を日本三大妖怪としました。

鬼に関しては古事記などにも出てくるほど歴史のある妖怪ですので(文章のみの登場です)納得がいきますね。

日本三大悪妖怪とは

日本大三妖怪ほど有名ではありませんが、日本3大悪妖怪という言葉も存在します。

日本三大妖怪は知名度的な理由で決められましたが、日本妖怪三大悪妖怪はその名の通り悪い妖怪たちで構成をされています。

日本妖怪3大妖怪は民俗学者の「小松和彦」という方に定義された妖怪たちです。

人に多大なる危害を与え続けた酒吞童子・玉藻前・大嶽丸という妖怪が悪妖怪となっていますので混合しないようにしましょう。

鬼は全ての「鬼」とつく名の妖怪の総称となりますが、細かく鬼ついて調べていくと様々な種類がいることに驚かされます。

日本3大悪妖怪の一角として名高い酒吞童子も鬼の1つであり、酒吞童子とは比べ物にならない「餓鬼」も鬼の1つですのでかなりの数が存在していることになります。

中には阿久良王(あくらおう)や秋田県に伝わる三吉鬼(さんきちおに)という正体不明の

マイナーな鬼もいますので調べていく内にどんどんハマってしまうことでしょう。

ちなみに三吉鬼は酒を飲んで代金を払わないまま出ていき、何も言わなければ夜中に代金の10倍ほどの根がする薪を置いていく鬼なので害はない場合もあるんですね。

河童

各地で言い伝えが存在する河童。

九州から茨城、はては岩手まで河童に関する伝承は存在していますのでそれほど馴染みの深い妖怪であったことがわかります。

現代でも目撃情報が出るほどですので日本人で河童を知らない方は珍しいでしょう。

また河童は悪さをする妖怪とも言われる場合もあれば、反対に人間に優しい妖怪であるともされる不思議な生物となります。

一般的に川などの水辺で通りかかった人の尻子玉を抜く、おぼれさせて殺してしまうなどのイメージがありますが土木工事を手伝ったなどの言い伝えもありますので必ずしも悪い妖怪であったわけではないようです。

最も身近なものですとキュウリを巻いたカッパ巻きなどがありますね。

天狗

元は中国の妖怪だったとされる天狗。

日本の妖怪の多くは中国の妖怪を参考に作られているといいますが、その中でも天狗はかなり中国よりであるなと感じます。

天狗も鬼・河童と同様に各地で伝承が存在していますが、妖怪ではなくときに神様としても扱われる不思議な生物となります。

多くは「天狗になる」という言葉があるように慢心や調子に乗り過ぎてしまった者が天狗になったと言われていますが、神聖な山の神様として描かれていることもあり解釈の仕方は様々です。

最近の漫画やアニメなどはその流れをくみ取り、上位の存在であるようなキャラ設定が多いですね。

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