【現代の犬神】徳島県で陰陽師に関わった実体験談(前編)【連載:犬神の系譜 】第4話

これから語る奇妙な出来事は約15年ほど前にオカルトマトが四国地方、徳島県のとある地域に住んでいた頃に実際に体験した現代の陰陽師と犬神についてのお話です。

その前に。

ごく最近、徳島県の民家からニホンオオカミの物だとされる骨が発見されたというニュースがありましたので、以下で一部引用します。

ニホンオオカミとみられる動物の頭骨が徳島市内の民家から見つかったニュースは、県内で古くから「犬神」と呼ばれる民間信仰にスポットが当たる機会となった。犬神は人に取りつき、病気や災いをもたらす霊という。それをオオカミが追い払うと信じられたようだ。

 三好市山城町の賢見神社は、犬神などのつき物落としに霊験あらたかな場所として知られる。交通の不便な山中にあるにもかかわらず、県内外から年間2万人程度が訪れ、その7~8割が祈祷を申し出るという。

文章引用元:徳島新聞

ちなみに徳島県に住んでいた頃の私は、引用元の記事で登場する三好市にも何度も行っていました。しかし、賢見神社の存在や年間に県内外から2万人もの人が来ているという事実は全く知らなかったので正直驚いてます。興味の湧いた方はぜひ全文をご覧下さい。

さて、今一度自身の過去についてですが、私は16歳の頃から約3年ほどの間を徳島県で過ごしました。

住んでいた場所は市内にほど近い所だったので、記事に出てきた神社の存在は知りませんでしたが、17歳から仕事を始めたので何度も通ったことのある街です。

ちなみに、三好市は徳島県の中でもかなり田舎の方でいわゆる山林の多い地域です。

ただし、ここから紹介する体験談において具体的な場所を書いてしまうのは色々と危険ですので、徳島県のとある地域ということだけお伝えしておきます。

陰陽師と出会った経緯

まずは陰陽師と出会った経緯から話していきたいと思います。

当時17歳~18歳の頃でしたが、同僚の1人に16年間の間行方不明の肉親がいるという複雑な家庭環境の方がいました。この同僚はいわゆる会社の倒産によって一家離散状態になり高校生までは親戚の家を転々として高校生までは面倒を見てくれたものの、「18歳からは1人で食べれるようになれ」と言われて、なかば追い出し状態のまま住み込みの仕事などを転々としていた人でした。

当時の私より少し年齢は上でしたが人柄もよく、バイクに乗って一緒にツーリングをしたり給料日には焼き肉を一緒に食べに行ったりするくらいの仲でした。

私の方が会社では先に働いてたので、途中から入社してきた歳上の後輩です。

その会社に紹介をしてきた方が同じ業界のBさんという方だったのですね。

Bさんも同僚を大事にしていて「なんとかして自立させてあげたい」ということで私が所属していた会社に同業者として紹介してきました。

一緒に働きはじめて半年が経った頃、一緒に外食をしている時にいわゆる身の上話を聞きました。

「昔、肉親が会社を倒産させて、今では家族の誰1人連絡先すらも分からない」

「Bさんにお世話になってなかったら生活保護を申請していたかもしれない」

他にも色々と話をしたのですが、家族が離散して誰1人連絡先も分からないというのは、あまりにも悲しいことだな、とまだ若いながらに私自身も思いました。

そこで「うちの社長かBさんはそのこと知ってるの?」と聞くと、首を横に振るだけだったので「それは1回話しておく方が良いよ」と言うと微妙な反応でしたが、なんとか話す決心がついたようでした。

流石に入社から半年しか経っていなかったため、社長には言いづらいということでBさんのお宅へ2人で行って色々とお話をしたのを覚えています。

一通り話終わったあとにBさんが「分かった。僕に任せてくれれば良いよ」とだけ言ってその日はお暇しました。

そして1週間後、職場に山伏のような白い襦袢を来て現れたのが陰陽師でした。

Bさんと陰陽師の繋がりは分かりませんが、当時のBさんは既に50歳を超えており、生まれも育ちもおそらく徳島県だったと思います。

兎にも角にも、同僚の居場所の分からない肉親を探すために、ある日突然「陰陽師」が目の前に現れたんです。

当たり前ですけど、出会った当時の私は「うさんくさい…」としか思っていませんでした笑

いきなり現れて「陰陽師です」とか言われたら多分ほとんどの人がポカンとすると思います。

私も「はあ…」としか言いようが有りませんでしたから。

行方不明の肉親を僅か1週間で見つけた陰陽師

ある意味ネタバレになっちゃってますね。

そう。この最初に会った時には「うさんくさいなぁ~」としか思えなかった現代の「陰陽師」さん。

なんと、同僚と会ってからわずか1週間後に目的の行方不明になっていた肉親の場所を特定したんです。

何をどうやって具体的に見つけたのかまでは私も知りません。

ただ、覚えているのは会った最初の日と、それから1日か2日くらいの間に同僚の手を握って目を瞑り、聞き取れないような言葉を話していたことだけ。

ちなみに、手を握られていた同僚はぶっちゃけ最初は半笑いでした。

いかにもな格好で来ていかにもな感じの行為におそらくちょっと引き気味だった様子でした。

それが最初に出会ってからたったの1週間後に「居場所は分かったから行っておいで。ちょっと身体を壊してるようだけど」とだけBさんを通して同僚に伝えました。

同僚も私もまたもや口ポカンです。

しかし翌日Bさんに連れられて同僚が指定された場所に行くと、確かに16年前に生き別れた肉親が居たんです。

同僚も僕も興奮していたことを今でも忘れていません。

さらに陰陽師さんはお守りとしてネックレス?首飾り?それとも携帯のストラップ?というような形の物を職場の全員に渡して帰って行きました。

この「お守り」がさらにこの後、奇妙な出来事を引き起こすことになります。

そしてこの時に私はまだ気付いていませんでした。

陰陽師さんは他の人とは話すのに私、つまりオカルトマトには話しかけないんです。むしろ目も合わせようとしない。

会ったのが合計4回くらいでしたから、そこまで気にしていなかったんですが、これも後々ゾゾッとする奇妙な出来事に繋がります。

陰陽師さんのお守りが作業事故を防いだ

※画像はイメージで実物はもっと簡素な物でした※

さて、一旦陰陽師さんが居なくなってからのお話を先にしたいと思います。

私のいた会社では機械を扱うことが多かったので作業中に事故が起こる可能性も充分にあるような職場でした。

陰陽師さんは社長に

「おそらく近い内に機械で事故が起きる。誰に起きるかはわからないからお守りを全員に渡しておいて下さい」

と言っていたそうです。

同僚の肉親発見から1ヶ月くらい経ったある日、職場の中で「ガシャーン!!」という金属音が鳴りました。

職業柄、「これは確実に何かやらかしたな」と全員で音の鳴ったところに行くと、同じく職場の1人が事故になりかけた様子はあったものの、怪我などは一切ありませんでした。

鉄を切る作業をしていた時だったので、扱っていたのはサンダーというダイヤモンドカッターを付けたかなり危ない機械です(もちろん普通に使われていますが)

鉄を切る最中にダイヤモンドカッター部分が摩耗で折れてしまい、破片が床に刺さっていました。

また、衝撃と同時にサンダーは手元から離れて落ちた先で空回りしている状態です。

状況だけを見ると、無傷なのは信じられないほどだったのですが、奇跡的に無傷だった職場の人が何気なく立った瞬間、ポケットから「カチャン」という小さな音と一緒に陰陽師さんから貰った壊れたお守りが出てきたんです。

なんか…作為的にオチみたいに書いてますけど、これ、マジで起こった話ですからね笑

全員すぐに陰陽師さんから貰ったお守りをポケットに入れ始めたんですから。

ですが、、、、。その後もう1つ事件が発生します。

お守りが壊れた同僚が指を切断する事故

これが正直一連の流れでは一番ビックリしました。

陰陽師さんから貰ったお守りをサンダー使用中の事故後に持っていなかった同僚が、後日今度は「丸のこ」と呼ばれる電動回転ノコギリで木材を切っていた時に、刃が目詰まりを起こしていわゆる「バックラッシュ」状態になり、利き手の逆で木を抑えていた同僚の指先を5センチほど切断する大事故になりました。

すぐに救急搬送されて指を冷凍状態で届けた(これもこれで怖い)他の同僚の努力も虚しく、切断した断面が斜めになっていたため縫合が出来ず、同僚は左手の指を2本失いました。

作業現場ではバックラッシュ自体はたまに起こるのですが、事故になることはそこまで多くありません。

というか私がいた間では3年間ほどいた間で最初で最後の事故でした。

時系列で言うと、今回の流れは以下のような感じです。

  1. 私が陰陽師さんと初めて出会う
  2. 1週間後に行方不明の同僚の肉親を発見し、お守りを渡されて陰陽師さんは帰る
  3. 約1ヶ月後、別の同僚が作業中に事故を起こしかける。お守り粉砕。
  4. お守りが壊れて1週間後くらいに同じ人が指2本を切断する大事故を起こす

もう、これ以降はしばらく陰陽師さんの話で職場はもちきりでした。

しかし、1ヶ月もすると全員何事も無かったように仕事にしてました。

唯一、私オカルトマト以外は…。

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■2019年秋、オカルトオンライン開設 ■2019年11月、副編集長就任 ライター、Web業務歴6年。 映画とマンガと本によってオカルト脳になった人。 分からないことを知るのが喜び。 だがしかしホラーは苦手。 古代史、人物研究、神話が好みです。