ピラミッドといえばエジプトやメソ・アメリカが有名ですが……日本にもピラミッドがあったことは知っていますか?
1980年代後半にブームになり全国から10ほどのピラミッド候補が発見されました。当時の中曽根首相もピラミッド型のパワーストーンを庭に埋めて、その力を利用していることを告白するなど、そのブームは白熱。
そんな日本のピラミッドブームの火付け役が、長野県の皆神山ピラミッドです。
皆神山ピラミッドは、他の日本のピラミッドとは異なる完全人工のピラミッドで、UFOや群発地震とのかかわり、さらには古代のロケット(UFO)の発射台だという説に、戦時中には天皇家の施設の中枢を移設する計画もあった……などなど、まさに長野最大のミステリースポットなんです!
皆神山ピラミッドが日本のピラミッドブームを起こした!
最初に発見された日本のピラミッドは、広島県の葦嶽山ピラミッド。その後も青森県の十和利山ピラミッドや大石神ピラミッドなどが発見されたものの、話題になったのはオカルト好きの間のみ。
しかしそれから50年近くが経った1984年、毎日新聞社の週刊誌『サンデー毎日』が「日本にピラミッドがあった! 追跡企画」を特集したことで、日本のピラミッドブームが巻き起こりました。
特集の目玉企画が、長野県松代の皆神山ピラミッドの調査。皆神山に地質学者を動員して、連日学術調査が行われました。
皆神山ピラミッドの調査結果!山頂に空洞を確認
皆神山 © ELK クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)
皆神山はプリンのような台形をしており、また皆神山以外は山々が連なっていますが、皆神山だけは独立した孤山となっているため、昔から人工的なピラミッドではないかと話題になっていました。
皆神山の台形の山頂は少しくぼんでいるのですが、これが地質調査の結果、山の地下に縦3キロ、横1.6キロ、深さ400メートルに及ぶ巨大な空間があったため、度重なる地震活動により沈んだと確認されたのです。
しかし1年間にわたり地質学者を総動員して調査を行ったものの、いよいよ「ピラミッドであるかどうかは不明」という結論で終わってしまいました。
ですが、日本の学界というのは結論が出ない、怪しいものはすぐに否定する性質があります。非人工的な要素が見つかれば、すぐに自然の山だと断定したでしょう。
それを専門の学者が判断を避けたということは、よほどきわどいラインだったのだと思われます。
皆神山ピラミッドはUFOの発射台!宇宙人に作られた?
そもそもなぜ、長野県の皆神山にピラミッド疑惑が出たのでしょうか?
発端は、山田久延彦という古代史研究家です。
山田久延彦氏は、元エンジニアという頭脳を活かして、『古事記』に描かれている神々や神話は、機械や高度なテクノロジーを描いたものだと断定し、『真説 古事記』という本を出版しました。
そして山田久延彦氏は、「天皇家は宇宙人の子孫であり、日本神話における天上世界「高天原」は宇宙を表しており、地上世界(葦原中国)と宇宙(高天原)の行き来にはロケット(UFO)が使われた」と推理。
様々な文献を研究した結果、皆神山ピラミッドこそがUFOの発射台だと断定し、調査を開始したのです。
日本のピラミッドの典型例である葦嶽山ピラミッドや十和利山ピラミッドは、あくまでも自然の山に手を加えた半人工のピラミッドですから、古代の日本でも造営は不可能ではありません。
しかし皆神山ピラミッドは完全人工でUFO=ロケットの発射台だというのですから、かなりぶっ飛んでいますよね。
皆神山ピラミッドとUFOと群発地震との関係
しかしかといって一笑に伏せないのが皆神山にまつわる様々なミステリーです。
皆神山はもちろん、皆神山ピラミッドがある松代町は日本全国でもUFOの目撃情報が特別多い地域です。
そして松代といえば1960年代に起こった群発地震。
毎日のように微弱な地震が続き、5年間にわたって71万1341回もの地震を観測しました。住民の中にはノイローゼになる人も続出したとか。
この群発地震の震源地の多くは、皆神山の真下でした。
しかし皆神山は火山でもなく、断層が走っているわけでもありません。結局のところ現代の地震研究では「原因不明」という結果で終わってしまいました。
これらのミステリーは皆神山ピラミッドとUFOや宇宙人とのかかわりを示しているのかもしれません。
皆神山ピラミッドと天皇家との関係【松代大本営】
皆神山ピラミッドの謎はこれだけではありません。
皆神山には「岩戸神社」と呼ばれる洞窟があり、その中には天皇の先祖神である天照大御神の御神体(鏡)が祀られています。
そう、皆神山は日本神話における「天岩戸隠れ」の舞台という説があるのです。
岩戸隠れをされて困り果てた神々がこの山に集まったいう由来から、「皆神山」と名前が付けられたといいます。
実際、皆神山は太古から神が宿る山、霊山として信仰され、中世以降は修験道も盛んでした。
さらに第二次世界大戦下では、日本の戦況が悪くなり松代が大本営・政府・天皇家を含む首都移転の予定地となり、皆神山には多数の地下壕が掘られました。三種の神器もここに安置される予定だったとか。
皆神山ピラミッドは、天皇家となにか並々ならぬ関係があるのかもしれません……。
今回は日本のピラミッドブームの火付け役、長野県松代の皆神山ピラミッドについて紹介しました。
皆神山は本物のピラミッドという証拠は得られませんでしたが、秋田県の黒又山ピラミッドでは、科学的な調査で人口ピラミッドだという証拠がいくつも発見されました!。コチラの記事で紹介していますのでぜひご覧ください!
次回は日本のピラミッドシリーズ第5弾、岩手県の五葉山を紹介します!
また日本のピラミッドは、推理小説家やSF小説家などに大きな影響を与え、多くの壮大かつ面白い傑作を生みだしました。
筆者のオススメは、あの『戦国自衛隊』の原作者である半村良氏が書いた『石の血脈』や『黄金伝説』と、大河ドラマ『炎立つ』の原作者である高橋克彦氏が書いた『竜の柩』です。どちらも大傑作ですのでぜひご覧ください。