神さまの怒りをかって、火と硫黄の雨を食らってしまったソドムとゴモラ、そして、ソドムとゴモラに住んでいて助かるハズだったのに、振り返ってしまったせいで塩の柱になったというロトの妻・・・。
聖書には「ちょっと、やばいんじゃない?」ってゆうエピソードがたくさんあります。
今回は、聖書に最初に出てくる殺人事件の話です。聖書は宗教本ですが、まぁ、いろいろと残酷な話が多んです。当然、人が死ぬエピソードもあるんですが、そのトップバッターを見てみましょう。
主役はアダムとイヴの子供
殺人事件の主演は、アダムとイブの息子達です。事が起こるのは、アダムとイブが楽園を追放された後のことです。
旧約聖書では、創世記という一番最初の話に登場しているんですが、その子供の名前はカインとアベルといいます。
兄のカインは「土を耕すもの」つまり農家といった感じ、そして、弟のアベルは「羊飼い」でした。そして、この2人の兄弟は、神さまに捧げモノをします。
兄のカインは農作物を、そして、アベルは自分が飼っていた羊の初子を神に捧げます。だけど、神さまが喜んだのは、アベルの捧げモノだけ・・・カインが捧げたの農作物は神さまに喜ばれませんでした。
そして、神さまはカインにいいます。
「なぜあなたは憤るのですか、なぜ顔を伏せるのですか。正しい事をしているのでしたら、顔をあげたらよいでしょう。もし正しい事をしていないのでしたら、罪が門口に待ち伏せています。それはあなたを慕い求めますが、あなたはそれを治めなければなりません」
引用:旧約聖書 創世記 口語訳
この言葉を聞いたカインは、弟のアベルを荒野に誘い出して・・・アベルを殺してしまいます。
つまり完全なヤキモチ!
神さまから自分の捧げモノが受け入れられなかった上に「正しい事をしているのでしたら、顔をあげたらよい」なんて言われるモノだから、カインは怒ってしまったんです。そして、弟のアベルを殺した・・・これが、聖書に最初に出で来る殺人事件!人類最初の殺人だともいわれています。
神様はどうしてカインの捧げモノを喜ばなかったの?
カインは自分が作った農作物を神への捧げモノにしました。
別に、神さまが野菜が嫌いだったとか、たまたまお肉の気分だった・・・というわけではありません。聖書ではよく捧げモノをするときには、その内容ではなく心持ちが大切であるとされます。
たくさんある中から、されなれの金額を寄付した人より、貧しい人が自分ができる精一杯の少額の寄付をするほうが神さまに受け入れられる・・・。つまり、値段じゃないよ、心だよってこと。
そういう観点から、カインをアベルを見てみるとどうでしょう。
カインが捧げたのは農作物・・・、もしかしたら、たくさん採れた農作物の中から一番良いモノではなくそこそこのものを持ってきたのかもしれません。それに対してアベルが捧げた羊の初子は、これはとても貴重なもの。つまり、持っている最も良いモノを喜んで神に捧げているのか、それとも「この程度でいいだろ」と思ったのか・・・。このあたりがちがってたのかもしれません。
聖書には、神さまがカインの何に苦言を呈したのかまでは、書かれていませんが、もしかするし捧げモノをするときの心持ちが良くなかったのかもしれません。
ただ、神様があまりにもあからさまにカインをアベルに対する態度を変えてしまったのが、もともとの原因・・・。もう少しオブラートに包んでくれれば「アベルは死ななくても良かったんじゃない」なんい思ってしまいます。
カインのその後は?
弟のアベルを殺したカインは神さまから「アベルはどこか」と聞かれて「知らない」を嘘をつきます。
でも、神さまにはそんなことはお見通し・・・そして、神様は誰もカインを殺せないように印をつけてしまいます。アベルの血で汚れた大地からは実りがなくなり、カインは死ぬまでア荒れた血で放浪することとなりました。
その後、カインは結婚して子孫を残しています。そしてその後、カインとアベルの両親である、アダムとイブはセツという子供を設けることに・・・。
そして、このセツの子孫が、箱船で有名なノアです。
まとめ
聖書に最初に出で来る殺人事件は、嫉妬心で弟のアベルを殺してしまったカインの兄弟殺しでした。
カインはその後、放浪することとなりましたが、子孫を残しています。
聖書の神さまは、気に入らない年を火で焼いたり、振り返ったロトの妻を塩の柱にしたりとなかなか恐ろしいエピソードをもっています。そして、人類初と言われている兄弟殺しの原因も神様から気に入られなかった!というカインの嫉妬心でした。
嫉妬心で弟のアベルを殺すカインが怖いのか、その原因を作ってしまう神さまが怖いのか・・・。
参考資料:カインとアベル:人類最初の殺人 神への思いの差が生んだ悲劇
理不尽すぎる人類最初の殺人・旧約聖書カインとアベルの物語を解説