清掃…といえば、ほとんどの方が何かしらの形でほぼ毎日しているのではないでしょうか。
綺麗にすることは私たちの日常の中ではごく普通の、当たり前のことですが、そんな清掃のひとつに「特殊清掃」があるのをご存知でしょうか?
特殊清掃…について見てみましょう。
公開日:2019年10月2日 更新日:2020年1月17日
特殊清掃とは、その名のとおり「特殊な清掃」のことです。
では、どう特殊なのでしょうか。
特殊清掃が行われる場所は様々ですが、一般住宅で行われることも多く、決して遠い世界のことではありません。
特殊清掃とは、自殺や変死、孤独死した場合などにその現場を掃除するというものです。
自殺、変死、孤独死などの場合でも、第一発見者の次に現場に入るのは警察官です。
警察官が遺体を回収した後の部屋…ここを掃除するのが特殊清掃です。
普通の人なら「誰かが亡くなった部屋」というだけでもぞっとするかもしれません。
もちろん、特殊清掃の現場は決して綺麗なものではないんです。
自殺の現場には、汚物や血しぶきが飛び散っていることもありますし、孤独死した人の遺体は腐敗して体液などが床や畳に染みていることも珍しくありません。
かなりの異臭もしますし、警察官が遺体の一部として回収しなかったもの…髪の毛や剥がれた皮膚なども特殊清掃がきれいに掃除をします。
当然、遺体が腐敗していれば、うじなんかもわいてます。
畳やベッドに染み出した体液が人の形に綺麗に残ってしまっている現場なんかもあるとか。
臭いやうじ、そして中にはゴミ屋敷のような場所で孤独死したり自殺してしまった現場なんかもあるわけです。
ここを綺麗にするのが特殊清掃の仕事です。
まず、特殊清掃が必要になるケースでは部屋はゴミ屋敷と化していることが少なくありません。
つまり、ゴキブリなどの害虫も発生しているということ…。
その中で人が亡くなっているとなると、まずはゴミの山をかき分けて…時にはゴミの山に登ってまずは遺体を探さなければならないこともあるのだそう。
そこにもし、ペットの痕跡があってもそのペットもすでに息耐えていることが多いんだとか。
人の遺体だけでもかなりのものですが、そこに動物の遺体まである…当然腐敗して虫がわいているそうで現場はかなりの惨状でしょう。
あと、孤独死の場合、湯船の中でなくなってそのまま時間が経ってしまうというケースもあります。
湯船に浸かったまま人が亡くなってそのまま時間が経つと、湯船の中で遺体が溶けてしまいます。
そのまま栓を抜くと詰まってしまうので、残ったものをこし取ってから栓を抜いて流すという作業をします。
もちろん、詰まる原因は…遺体の一部ということになります。
床に染みた体液やはがれ落ちた皮膚…髪の毛や、時には骨の一部や爪、なんかが落ちていることもあるとのことです。
特殊清掃ではその体液が染みた床を剥がして清掃をした後に、張替えまで請け負うこともあるとか。
もともと人の一部だった体液が染みた床を剥がす…想像するとかなりゾッとしてしまいますよね。
ちなみに、人体の一部であることが解っている髪の毛などの場合でも、警察が入った後に残されているものは、基本的に処分するそうです。
特殊清掃…遺体などが回収された後の現状回復をするお仕事ですが、決して他人事ではありません。
自分がそうなる可能性もありますし、近隣の住宅から異臭がする…そうやって孤独死が発覚することは珍しくないのです。
高齢化が進む今、孤独死はあとを立ちませんし、死は必ず訪れるものですから、いつどこでどんなことになるかは誰にも解らないのです。
昨日まで普通に生活していた人が無くなった…最近見なくなった隣人がいる…もしかしたらあなたのすぐ近くで特殊清掃が行われているかもしれないんです。
そして、特殊清掃は自宅やマンション、アパートだけではありません。
実はホテルでも行われています。
ホテルの場合は、部屋を借りるのとは違いますから告知されることはまずありません。
変死や孤独死、自殺が発生したら特殊清掃がこっそり呼ばれて、清掃作業が行われ、家具などをすべて新しくして早い場合はその日のうちにその部屋にも宿泊客が招き入れられるのです。
つまり、何気なく泊まったホテルの部屋で誰かが命を終えて、特殊清掃がされているかもしれないということ…
そう言われてみればホテルでラップ音などの心霊現象を経験したという方、結構いますよね。
もしかしたら、あなたも知らず知らずのうちに特殊清掃されたことがあるホテルに止まったことがあるかもしれません…。
特殊清掃…「私には関係ない」と思っているかもしれませんが、特殊清掃は今日もどこかで行われているものなのです。
あなたのご近所や、宿泊するホテルなどでも特殊清掃が必要になる事件や事故が起きる可能性は否定できないのです。
特殊清掃のプロの技を持っても綺麗にしてもまだ、体液の後が残っている部屋もあるそうですよ・・・。
本記事で紹介したのは「特殊清掃」と呼ばれるお仕事の実情についてでした。
これらのお仕事は社会的に必要不可欠ではあるものの、やはり内容を知ってしまうと少し恐ろしさを感じてしまうところはありますよね。
ちなみに、賃貸物件の場合、借り主などが自殺等で亡くなった際に、この事実を告げなければならないのは次の借り主まで。
つまり、事故物件になって2回目以降の借り主には伝える義務が課せられていません。
こういった本もあるので、やはり「特殊清掃」は現実に存在するお仕事なのでしょう。