日本と同様に、海外にも様々な都市伝説が存在します。
夢に出てくる男と言われる「This Man」や、見たものは精神が崩壊するといわれる「モスマン」、映画化されて日本でも有名になった「メンインブラック」など、様々な都市伝説がございますが、今回はカルト的な人気を誇る都市伝説「スレンダーマン」について書いていきます。
[amazonjs asin=”B075CS4DPN” locale=”JP” title=”都市伝説:長身の怪人 DVD”]スレンダーマンは、海外のネット上で広まった都市伝説ですね。
中心となる話がないため、多くの特徴がスレンダーマン伝説に付随されてきましたが、一般的には細身で背が高く、不気味なまでに長い触手状の腕、のっぺらぼうの頭を特徴としており、多くは森に近い場所、及び森に関連した場所で確認されています。
子供を誘拐して殺すといわれていますが、目的はよくわかっていません。
一説には瞬間移動ができ、スレンダーマンの近くにいると「スレンダーマン病」と呼ばれる病気を引き起こすとも言われています。
2009年、サムシング・オーフル・フォーラムと呼ばれるにスレンダーマンの写真と目撃談が張られ、一気に広まりました。
「We didn’t want to go, we didn’t want to kill them, but its persistent silence and outstretched arms horrified and comforted us at the same time…
1983, photographer unknown, presumed dead.
僕たちは行きたくなかったし、僕たちはみんなを殺したくなかったけれど、あいつのいつまでも続く沈黙と伸ばされた腕は、僕たちを怯えさせながら同時に安楽にもさせた…………
1983年、撮影者不明、撮影者は死亡したと推定される」
「One of two recovered photographs from the Stirling City Library blaze. Notable for being taken the day which fourteen children vanished and for what is referred to as “The Slender Man”. Deformities cited as film defects by officials. Fire at library occurred one week later. Actual photograph confiscated as evidence.
1986, photographer: Mary Thomas, missing since June 13th, 1986.
スターリング・シティ図書館の火災現場跡から回収された2枚の写真のうちの1枚。14人の子どもたちが失踪した当日に撮影されたものであり、「スレンダーマン」と称されるものが写っている。当局は、人物の奇形はフィルムの欠陥によるものと述べている。図書館の火災は、その1週間後に発生した。写真の現物は証拠物件として押収された。
1986年、撮影者メアリ・トマス、1986年6月13日失踪」
※SA Forumsより引用
この書き込みから端を発し、ネット上でミームと化し多くの目撃情報が発信されることとなりました。
[amazonjs asin=”B07NBLRZ9D” locale=”JP” title=”スレンダーマン 奴を見たら、終わり (吹替版)”]スレンダーマンの発見は近年ですが、これはスレンダーマンなのでは?と思われる伝承や遺跡は、世界各地に伝わります。
例えばブラジル北東部のセル・ダ・カピバラ国立公園にある洞窟壁画には、子供たちを導く細長い人型の化け物が描かれています。
詳細は不明ですが、子供を対象にしている、細長く触手のような手を持つといったところから、類似点が見られます。
もしこれがスレンダーマンだとすれば、紀元前9000年前からスレンダーマンは確認されていたこととなります!
他にも古代エジプトでは、ファラオの墓に書かれる象形文字がスレンダーマンに似ているといわれていますね。
ドイツでは16世紀半ばに、木版画で有名なHans Freckenbergが、スレンダーマンでは?と言われる絵画を残しています。
Hans Freckenbergは解剖学的構造に忠実なデッサンで有名ですが、スレンダーマンと噂される二つの絵画では、不自然な多肢が追加されています。
Der Großmannと呼ばれるドイツの伝承を書いたものとされているようですが、伝承によるとDer Großmannは森にすむ妖精であり、森に入った悪い子供を執拗に追いかけるそうです。
多肢であり、子供を追いかけるといい、スレンダーマンとの類似性が見受けられます。
ルーマニアにおいては古いおとぎ話として、これまた痩身で背が高く、多くの腕を持ち黒い服を着ているという、スレンダーマンに似た特徴を持つトールマンと呼ばれるものが出てきます。
これらのように、世界各地でスレンダーマンに似た怪物が確認されています。
日本での目撃情報は確認されていませんが、スレンダーマンの特性上、見たら生きて帰れない場合も多いため、もしかしたらすでに上陸しているかもしれません。
実はスレンダーマン、インターネットで生まれた創作の都市伝説です。
2009年にサムシング・オーフル・フォーラムにて、「create paranormal images through Photoshop(フォトショップでパラノーマルな写真を作ろう)」というスレッドで投稿された画像に端を発し、どんどん話が肉付けされていきました。
このようにインターネットで広まった嘘の伝承は「フェイクロア」と呼ばれ、スレンダーマンのほかにも様々な例が確認されています。
実際スレンダーマンは著作権登録もされており、最初に投稿した「ビクター・サージ」ことエリック・クヌーゼン氏も、創作したことを公言しております。
発端が画像とそれにつけられた数文のみなので、派生して生まれた伝説も統一性は少なく、何やらとてつもなく恐ろしい怪物がいるらしい、という漠然な恐怖の集合体としてスレンダーマンは語られていきました。
そういった漠然さは、理解しえぬものに対する恐怖を付与しつつ、また何かしら恐ろしいものであるとだけ伝えられる情報は、自身の最も恐ろしいと思うものを想像させるのに最適であり、最恐の都市伝説として広まったと言われています。
スレンダーマンのこういった出自は、神話の形成などをリアルタイムで確認することができ、有意な観察対象として考察もされているようです。
インターネットと人々の恐怖心から生まれたスレンダーマン、まさに現代を代表する都市伝説と言っても過言ではないでしょう。
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例えば二次創作であるゲームや映画作品。現在では多くのゲームでスレンダーマンが登場し、主人公格とされるものだけでも10作品ほどあり、スレンダーマンブームの火付け役ともなりました。
また、映画では2018年に制作された『スレンダーマン 奴を見たら、終わり』という、日本でもデジタル公開された作品が有名です。
こういった二次創作的な影響であればまだ良いのですが、悲惨な事件も起こっています。
2014年にアメリカのウィスコンシン州で、「スレンダーマン刺傷事件」と呼ばれる事件が発生しており、スレンダーマンに影響を受けた少女二名が友人を森に呼び出し、19回ナイフでめった刺しにするという「スレンダーマンに忠義を示す儀式」を行ったといわれています。
幸い、被害者の生命は無事でしたが、インターネットが子供に与える影響などをにおいて、大きな論争を引き起こした事件となりました。
今回はインターネットで作られた都市伝説、スレンダーマンを紹介しました。
最初は一つの書き込みだったのが、いつの間にか世界中に広まり、目撃情報も多発し……なんてとても怖いですよね!
もしかしたらあなたが考えた怖い話も、ネットに公開することで現実となってしまうかもしれません。
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