本当は怖い!てるてる坊主の真の姿

子供の頃に「明日はどうしても晴れて欲しい」とテッシュペーパーや紙でてるてる坊主を作ってつるした事ありませんか?

まあるいフォルムのてるてる坊主を子供がせっせと作って窓辺につるす姿はとてもかわいらしくほっこりする光景ですが、

実はてるてる坊主ってそんなにほっこりするようなモノじゃなかったんです。

公開日:2019年9月12日 更新日:2020年1月12日

「てるてる坊主」の本当の姿とは?「てるてる坊主」の起源と悲しい逸話

てるてる坊主の起源は、中国に遡ります。

実は、てるてる坊主は、男の子ではなく元々は女の子で『晴娘』と呼ばれていたとか。
日本にてるてる坊主が伝わったのは平安時代に入ってからで、いつのまにか坊主…つまり男の子になっていたのですね。

てるてる坊主こと晴娘の起源はずっとずっと遠い昔です。ある国で、ずっと大雨が続いて困っていたそうです。

このままでは街が水にに沈んでしまうかもしれない!と途方に暮れていた時に天から

「その娘を生贄として天に捧げれば雨を止ませるが、差し出さなないのならもっと雨を降らせて街を沈めてしまう」

という声がしたとか。

https://pixabay.com/photos/flower-macro-forget-drip-water-2197679/

そして、天から指名された娘はみんなを救うために自らが犠牲に…つまり生贄になって天に上ったのです。そして、その後、本当に雨が上がって晴れたそうです。

その時に、まるで箒で雲を履いたように晴れ渡ったことで、生贄になった娘を残された人々は「掃晴娘」と呼び、その代わりにてるてる坊主を紙で作るようになった…。

紙でてるてる坊主をつくったのは、その生贄になった娘が切り紙が得意だったことに由来しているとも言われています。

娘…という位ですから、まだ年端もいかない少女だったことは想像に難くありません。

どんな気持ちで少女は生贄になり、そして、少女を見送る人々はどんな想いだったのか…。考えると怖いような切ないような複雑な気持ちになります。

童謡「てるてる坊主」の歌詞を知ってますか?ほんとは怖い「てるてる坊主」の名前の由来とは?

水害からみんなを守るために生贄になった「掃晴娘」ですが、てるてる坊主と言えば童謡のてるてる坊主も忘れてはいけません。

ここでてるてる坊主の歌詞をちょっと確認してみましょう。

https://pixabay.com/vectors/silhouette-musical-note-clef-bass-3309171/

『作詞・浅原鏡村  作曲・中山晋平

てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
いつかの夢の空のよに 晴れたら金の鈴あげよ

てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
わたしの願いを聞いたなら あまいお酒をたんと飲ましょ

てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
それでも曇って泣いてたら そなたの首をチョンと切るぞ』

1番と2番はまぁ、かわいい歌詞ですが…3番になるとなんだかちょっと…という感じですよね。

中国では娘でしたが、日本では坊主と呼ばれるには訳があります。

それは、晴れを祈祷するお坊さんを指しているからです。あるとき晴れの祈祷を頼まれたお坊さんがいたのですが、祈祷が上手く行かず雨がやみませんでした。

そして、とうとうそのお坊さんは首をはねられたとか…。

そして、そのお坊さんの首を白い布に包んで釣るして置いたら雨が止んで晴れが戻ってきた…。

つまり、てるてる坊主が白いのは首を包んでいた布が白かったから、そして、坊主と呼ばれるのはお坊さんだったからなんです。

https://pixabay.com/photos/stained-glass-window-dominicans-monk-2928303/

ちなみに…中国の「掃晴娘」は白い服に赤い帽子だったそうで、今でも中国ではてるてる坊主は真っ白ではありません。ですが、日本のてるてる坊主は白です。

この色にも、そして、坊主と呼ばれるのも、童謡のてるてる坊主の3番の歌詞が残酷なのもちゃんと理由があるんです。

しかし、1番と2番では「金の鈴をあげる」とか「あまいお酒をのませてあげる」なんて言っておきながら、願いが叶わなかったら「首を落とす」。

この対比もまた、てるてる坊主の起源の恐ろしさを暗に意味しているのかもしれません。

その首をどんな気持ちで吊るしたのか、そして、その後晴れたときに人々はどんな気持ちだったのでしょうか。

首を吊るしたから晴れたのか、少し遅れて祈祷の効果が現れたのか・・・確かめるすべはありません。

そもそも、天気のような、人間の力ではどうすることもできないことで首をはねられたお坊さんがいたのなら…なんとも惨い話です。

「てるてる坊主」には実は作法がある!正しい「てるてる坊主」には顔を書いちゃいけないって本当?

https://pixabay.com/photos/theravada-buddhism-theravada-monk-1760257/

生贄やらお坊さんの首をはねてつるしたやらと、なんとも血なまぐさいてるてる坊主の起源ですが、今では紙で作る工作のようなものとして定着していますよね。

だれでも一度くらい、てるてる坊主を作ってつるしたことがあることでしょう。

そんなてるてる坊主ですが、ちゃんとした作法があります。

てるてる坊主は顔を書かずに吊るすのが正解なんです。

そして、願いが叶って晴れたら、顔を描いて川や海に流します。もし、晴れなかったら顔を書かずに川や海に流すのが正しい作法です。

ですから、顔を書いてからつるしたり、ゴミと一緒に捨てたりしないようにしましょうね。てるてる坊主もある意味においては、人形…。

つまり、作った人の念が入っているものですから、正しい作法で処分したほうが・・安心です。

本当は怖い「てるてる坊主」のまとめ

可愛らしいフォルムのてるてる坊主には、悲しい逸話と首をはねられたお坊さんが起源でした。

てるてる坊主の起源がまさか、はねられた首だったと知ったあなたは、晴れを願っててるてる坊主を作れますか?

顔を書かずにのっぺらぼうのままで吊るすのがてるてる坊主の正しい作法です。

もちろん顔を描くかどうかはあなた次第…。

本当は恐ろしい○○

現在では一般的な風習になっているものであっても、その起源を辿ると実は恐ろしい逸話や起源が隠されていることもありますよね。

例えば、身近な漢字の由来などに関しても諸説ありますが、実は成り立ちの中で恐ろしい物語があったりするんですよね。

他にも、写真を撮る時に多くの人が使っている「ピースサイン」についても、実は魔術の理論を応用したサインであるとも言われています。

あなたが日常的にしている習慣にも、隠された意味があるかもしれませんよ・・・