女性に定期的に訪れる月経・・・子宮内膜が剥がれる現象のことで、これは自然に起こるモノ。もちろん、病気ではありませんが、生理中の女性はとてもデリケートです。
女性の身体にとって生理が来ることは自然なことですが、血液が流れ出るせいか月経を”穢れ”と考える風習は世界のいろいろなところにありました。実際に日本でも「女性は不浄」という考え方を持っている人もまだまだたくさんいますし、月経への理解がなかなかできない人もいます。
ですが、生理中の女性を「隔離する」そんな風習がまだ残っている国もあるんです。
チャウパディとは、生理中の女性を小屋などに隔離・・・というか軟禁してしまう文化のことです。
その理由は「月経の最中の女性は不浄」とされているから。
この風習はネパールで古くから伝わっているものでヒンズー教の習慣・・・チャウパディは、2005年に禁止されたのですが、それでもまだ残っているところがあるそうです。
時に、生理中だからといって台所に立たせて貰えない・・・とか、軟禁されている間に暴行を受けたといったケースもあるそうで、いわゆる男尊女卑の文化のひとつです。
生理中の女性を閉じ込めてしまうチャウパディですが、小屋という表現がされることからも解るとおり、決して良い環境とは言えません。
十分な設備がなく、寒さに震えたり、時には侵入してきた蛇に噛まれてしまうこともあるんだとか。そんな劣悪な環境の中にいたたことが原因で亡くなってしまう女性もいます。
特に、気温が下がる山岳地帯では、寒さをしのぐために狭い小屋でたき火をすることがあるそう。そのときに煙を吸い込んでなくなってしまうことがあるそうです。
チャウパディは禁止されているのですが、それでもなかなか根付いていた文化や習慣がなくなることはなく、今でも生理中だからと家を追い出されて、狭い小屋で隔離されている女性がいるのです。
参考資料: 若き娘たちが死んでいく…「生理は有毒」がもたらす悲劇
生理は不浄!生理中の女性も不浄!というこの考え方の場合、当然、生理用品も不浄・・・。つまりタブー視されることは想像に難くありません。
日本では、生理用品は使い捨てですが、ネパールなどでは何度も洗って使う布の生理用品を使う人もおおいのだとか・・・でも、不浄と言われるモノを外に干しておくこともできず、衛生的に問題があることもあるそうです。
使い捨ての生理用品がまだ浸透しておらず、それだけでも衛生管理が難しい中で、さらに生理用品を満足に干せないとなると、それが原因で病気になってしまうこともあるでしょう。
日本ではちょっと考えられないことですが、まだこんな習慣が根付いているところがあるんです。
参考資料:#Noチャウパディ!少女の命を奪う、月経不浄視を”過去の歴史”に
生理中の女性を隔離するチャウパディですが、今ではチャウパディは犯罪です。
2017年に報じられたニュースではチャウパディを強要した場合には「禁錮3か月か罰金3000ルピー」に処されるそうで、とうとうチャウパディは犯罪になりました。禁止されたのは2005年ですから、なかなか根絶できなかったということなのかもしれません。
もちろん、これはチャウパディをさせた人への罰則です。チャウパディをしている最中になくなったり怪我をしたりという悲劇が起こったこと、そして、女性の月経を穢れとする考え方が今の時代に合っていないことも犯罪化された理由なのかもしれません。
参考資料:ネパール、生理中の女性を隔離する慣習「チャウパディ」を犯罪化
生理中の女性は不浄—-ネパールの慣習「チャウパディ」罰則化の次に求められること
もちろん、今の日本にはそんな習慣はありませんが(あったらネットで大炎上することでしょう)、昔は似たような習慣があったそうです。それが、月経小屋というもの。
月経は穢れ・・・という考えのもとで、作られた月経小屋はなんと昭和39年まで使用されていたという事例があるそうです。
生理中の女性は他の人と同じ日を使ってはいけないとか、軒下で過ごすしかなかったなんてこともあったそうです。
参考資料:日本で生理用品が進化しなかったわけ 昔の女性も悩んでいた
権力が作り上げた「血穢」という意識…「生理」の歴史を振り返る
月経は不浄・・・生理中の女性の不浄・・・どこから生まれた考え方なのかは解りませんが、そういった文化の元で命を落とす女性もいました。
日本で昔は月経小屋というものが存在して、生理中の女性は隠れされるという習慣があったそうです。そして、今でもネパールなどの一部地域では、生理中の女性を狭い小屋に軟禁するという習慣が残っていると言われています。
なんとも時代錯誤なこの習慣は犯罪として罰則がつけられるほどに、ネパールの一部地域に強く根付いているようです。