1972年から1978年の間に33名の少年を殺害し、平時はピエロに扮することが多かったことから「キラー・クラウン」と呼ばれたシリアルキラー、ジョン・ゲイシー。
同性愛を隠すため犯行に及んだり、殺害前の少年を強姦したりと、その異常性ばかりが際立ちますが、彼の生い立ちもまた興味深いんです。
シリアルキラー「ジョン・ゲイシー」の生い立ちから、彼の異常な行動と心理をみていきましょう。
ジョン・ゲイシーとは何者?
ジョン・ゲイシーにまつわる主な出来事をピックアップすると、以下の通り。
- 生誕から死没:1942年3月17日~1994年5月10日
- アメリカを代表するシリアルキラー(異常な心理的欲求をもつ連続殺人犯)
- スティーヴン・キング原作『IT』のピエロのモデルになった
- 子どもの頃、父親からの異常な虐待を受けていたが、それでも父を生涯愛していた
- IQが高く、セールスマンや実業家としても成功していた
- 地域活動に積極的に貢献し、人望の厚い模範市民だった
- 父の死後と妻との離婚後、殺害数が一気に増え、7年間に33名の少年を殺害した
- 殺害された少年は、最年少が9歳、最高齢が20歳であった
- 彼が服役中に描いたピエロの絵は、高値で取引され展示会が開かれるほど注目されている
わりと近代まで生きていたというのが、身近というか、不気味というか…。
ジョン・ゲイシーは特に、
- 短期間での殺害数
- 少年ばかりを狙う異常性癖
- 殺害のみならず強姦も行う狂気
などから、アメリカ史上最も有名なシリアルキラーと言っても過言ではなく、また作品を通して世界的にも有名です。
映画『IT』のモデル
スティーヴン・キングの傑作ホラー小説『IT』のピエロ”ペニーワイズ”のモデルにもなっており、
- 子どもを狙う
- ピエロの格好をしている
といった共通点があります。
ジョン・ゲイシーの名を一躍広めたきっかけでもありますね。
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ジョン・ゲイシーの心理学的鑑定
そんな彼ですが、実は地頭が良く行動力もあったようです。
ジョン・ゲイシーを心理学的に鑑定した臨床医によると、
- IQが一般人よりかなり高かった
- 脳障害の兆候はみられず、彼の性格や行動とは関係がないと分かった
- 心理や思考を分析する「ロールシャッハ・テスト」では”異常”と診断された
- 精神の安定度を鑑定する「ミネソタ多面人格目録」では”極めて異常”と診断された
この結果、精神分裂もしくは妄想症の可能性が高いとされています。
また、彼の異常な心理状態を作り上げた原因は、
ゲイシーのトラウマをアルコールに耽っていた父親と現在までに及ぶ本人自身の発作によるものと指摘、幼いころから彼を責め苛み続けた心身症と神経症が、彼の犯罪性を作り上げる土壌となった。
Wikipedia「ジョン・ゲイシー」より引用
と、元スタンフォード大学行動科学課長のローレンス・フリードマンが証言しています。
映画『サイコ』や『羊たちの沈黙』などに影響を与えた、20世紀のアメリカを代表する猟奇殺人犯「エド・ゲイン」も、
- 母親の異常な教育・虐待
- そんな母親に対する執着的な愛情
この両方が同時に存在する「共依存(自分と相手の関係に依存している状態)」でした。
もともと異常な心理状態だったのではなく、
- 育った環境
- 親との関係
- 多感な時期のトラウマ
などが影響し、大人になるにつれてその異常さが確立していくのです。
ジョン・ゲイシーの犯罪は決して許されるものではありませんが、彼の異常な行動の裏側を知ることで「ただの快楽殺人者ではない」という見方が増えて面白いんですよね。
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まとめ
ジョン・ゲイシーの犯罪は、明らかに異常で恐ろしく、同情の余地も一切なし。
しかし彼の生い立ちまで知ると、「自分もこうなっていたかもしれない」という不安に駆られ、共感できる自分にハッとさせられたりもします。
まさに映画『ジョーカー』をなぞっているようで、興味深い。
ジョン・ゲイシーを作品を通して知るなら、
- 『IT』
- 『ジョーカー』
- 『ジョン・ゲイシー』
この3つは要チェックです。