同じ地球上なのになかなか行けない場所…世界屈指の難峰

オカルトオンラインでも何度か取り上げてきた「山」。同じ地球上の陸地なのにまだだれも登っていない未踏峰や、遺体が目印になっているエベレスト、死亡率38%のアンナプルナなど、自然の力とスケールの大きさはな私たち人間のサイズ感をはるかに凌駕するもの…。

実は世界には、世界トップクラスのクライマーが最新の装備を持ってもなお、なかなか登れない山や岩壁があるんです。

世界屈指の難峰「ラトック」「ガッシャーブルムⅣ峰」

世界屈指の難峰…と言われると山に詳しい人ならK2やナンガ・パルバットなどをあげることでしょう。
もちろん、K2もナンガ・パルバットも難峰です。そんじょそこらの素人がちょっとトレーニングしたくらいでは登れないプロの山です。ですが、この山たちよりも登頂が困難だと言われている山があるんです。

それが、ラトックと呼ばれる山々です。ラトックはカラコルム山脈にある急峻な岩山で1峰の標高は7145メートルと、8000メートルには遠く及ばない山です。

ラトック峰

 

画像引用 Wikipedia

ラトックには4つのピークがありそれぞれの標高は

ラトック Ⅰ峰 7,145m
ラトック Ⅱ峰 7,108m
ラトック Ⅲ峰 6,949m
ラトック Ⅳ峰 6,456m

この4つのピークすべてが極めて難易度が高く登頂が困難な難峰です。

Wikipediaのこちらの写真を見ても解るとおり、かなり切り立っていますよね。ラトックⅠ峰は日本人クライマーとしてファンが多い山野井泰史さんが、まだ指を失う前にトライしたことがあるのですが、最強クライマーとの呼び声が高くK2にソロで登ってしまう山野井泰史さんもラトックⅠ峰への登頂は叶いませんでした。

ラトック1峰は、初登頂1979年で登頂を果たしたのは日本人です。ですがそれ以降はまだだれも登頂できていないんです。

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参考資料

 Wikipedia

「CHRONICLE ラトック1峰(7145m)」, 岩と雪 Vol7  山と渓谷社

ガッシャーブルムⅣ峰

画像 Wikipedia

ガッシャーブルムはカラコルム山脈にある山で、Ⅰ峰とⅡ峰は8000メートルを越す標高をもつ山です。ですが難易度が高いとされているのは、標高7925メートルのⅣ峰です。

8000メートルには届かない物の世界で17番目に高い標高を誇る高山で、技術的には8000メートルを超えるⅠ峰やⅡ峰より難しいと言われています。

日本人女性で初のK2に登頂成功したクライマーはK2の頂上から見えたガッシャーブルムを「K2より難しい山」と語っています。また、日本人最強クライマーだと言われる山野井泰史さんはガッシャーブルムⅣ峰を天候不良で諦めたあとにⅡ峰に登頂し「往復できるくらい余裕があった」と言ったんだそう…。

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参考資料 wikipedia

登山はどこに登るか…からどう登るかに変化している

8000メートル峰がすべて登頂され、無酸素登頂も珍しくなくなった今、世界のクライマーは「どのルートで登るか」に注目しています。

すでに登られている山でもまだ未開のルートがたくさんありますし、世界屈指の大岩壁もまだまだ残されています。

マカルー西壁

マカルーは8000峰14座のひとつに数えられる山で標高は8481メートルで世界第4位です。そのマカルーの西壁は8000に達する少し前からオーバーハングしている垂直の岩壁があります。

ヒマラヤの難題と言われるこの岩壁を登りきったクライマーはまだ誰もいません

参考資料 <日本一のアルパインクライマーが語る(3)> 山野井泰史 「経験したことと、記録されたもの」

ナンガ・パルバット ルパール壁

画像引用  Muhammad Ashar投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, リンクによる

 

人喰い山という異名をもつ山ナンガ・パルバットは、標高8125メートルで8000メートル峰の中でも難易度が高い山と言われています。そのナンガ・パルバットにはルパール壁という岩壁あるんです。

ルパール壁の標高差はなんと4800メートル!壁の標高差だけでも富士山よりずっと高いということになります。

死の山…人喰い山と呼ばれるナンガ・パルバットにそびえるルパール壁はクライマーの憧れでもあり、そして世界屈指の危険な場所でもあります。ナンガ・パルバットはつい最近まで冬季登頂がなされていない山でした。つまり、ルパール壁を登らない最も簡単なルートでも登頂が困難な山なのです。その山にそびえる標高差4800メートルのルパール壁…考えただけでもぞっとします。

他にもチョ・オユーやマナスルにも登頂が難しいバリエーションルートがあります。

まだだれも登りきれていないマカルーの西壁やナンガ・パルバットにルパール壁の冬季登頂…いつか誰かがそのルートを制覇する日がくるのでしょうか。

ちなみに標高差4800メートルのルパール壁はチャレンジは容易ではありませんが、トレッキングコースから見ることはできます。
ただ、ナンガ・パルバットでは以前に、登山家を狙ったテロもありましたから、見るだけでもそれなりのリスクを覚悟しなくてはなりません。

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参考資料 ラインホルト・メスナー『ナンガ・パルバート単独行』山と溪谷社、2000年7月1日

まとめ

世界には、7000メートル8000メートルを超える山々がたくさんありますが、その中には「なかなか登れない難峰」があります。

ラトックやガッシャーブルムⅣ峰、そして、マカルーの西壁、ナンガ・パルバットのルパール壁など自然の大きさを感じずにはいられません。

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Miiko

ライター歴約10年 法学系院卒 得意記事は、歴史・スピリチュアル・法律等々 福岡の隅っこでコーヒー片手に執筆中