危険なタイムリープの方法「マインディット」

マインディット

ときどきネット掲示板のタイムリープ関連スレッドで名前のあがる「マインディット」という方法をご存知だろうか?

「マインディット」について最初に触れらたのは、2015年8月の「したらば掲示板」13番目レスだ。

●「タイムリープ経験求む!!」
2015/8/16 したらば掲示板より

書き込んだ人物を、以後レス番号から「13氏」と呼ぶことにする。

マインディットの方法

13氏が語る「マインディットの方法」とは次のようなものだ。

(1)24時間飲食睡眠禁止で欲求を抑える

24時間眠らず何も食べない、何も飲まない(水もだめ)。
もちろん酒もタバコもNGで、自分のしたい欲求をできるかぎり抑える。
会社や学校には行ってもいいが、欲求を抑えておとなしく過ごす。

(2)気分を高揚させてリープ先の自分をイメージ

24時間経過したら抑えていた気持ちをいっきに高ぶらせる。
子供のころの遠足前や部活の試合前のようなワクワク・ドキドキする気持ちになる。
気持ちが高ぶったらコップ1杯の冷たい水を横に置き、

コップ1杯の水イメージ
部屋をできる限り暗くして目を閉じ、リープしたい過去の自分をイメージする。

(3)リープ先の自分の意識をのっとる

目を閉じたまま獲物を狙うライオンのように、リープ先の自分のイメージに集中する。

「あのとき夕方学校からの帰り道で、一人で歩いていた自分」というように具体的にイメージできる方がやりやすい。
イメージができたら、今まで抑えていた欲求を爆発させるように過去の自分をにらみ続ける。
すると空気が変わる。
音が聞こえなくなる。
鳥肌が立つような違和感がある。

目を開けず、横に置いたコップを飲んで冷たい水が熱いお湯になっていれば成功! 

目を開けると、そこは過去の世界。

・・・なるほど、以前に紹介した「明晰夢を使ったタイムリープの方法」とは違う、新しいタイプだ。

タイムリープ入門(2)~タイムリープが話題になったきっかけの話~

13氏がマインディットを知った経緯

このマインディットによって13氏は今までに4回タイムリープに成功しているそうだ。

ただこの方法を考案したのは13氏自身ではなく、彼がボランティアで名古屋の精神科病院に行った際、そこに入院していた多重人格障害(解離性同一性障害)の患者からやり方を教えてもらったという。

13氏はそれから数年後、関東の病院の同じ病気を患う別の患者からもマインディットの話を聞いている。

「過去の自分の意識をのっとる」というのは、さきほどの「タイムリープ入門(2)」で紹介した「初代タイムリーパー」のやり方に似ている。

「マインディット」という名前は関東の患者の方から教えてもらったそうで、「MIND is ○○」と「MIND」に続く英語の頭文字をとるらしいが、正確にはわからない。

スレの中では「MINDITOMIND Is Taken Over)」の略ではないかと推測されている。
※「take over」には「のっとる」や「強引に奪い取る」という意味があるのでぴったりかもしれない。

ただしこの「マインディット」、私は絶対オススメできない

ただでさえ今のような暑い時期に睡眠不足で飲まず食わず、水分を1日取ることができないとは「熱中症になりなさい」と言っているようなものだ。

したらば掲示板に立った「マインディットの関連スレ」でも、実際に試した人が脱水症状で倒れて救急車で運ばれたという書き込みがある。

では、なぜ今回この「マインディット」を紹介したのかというと、13氏の投稿の中に次のような気になる書き込みがあったからだ。

13氏の語る「マインディット理論」

13氏の書き込みを、一部省略したり、わかりやすい言葉に変えている。

自分なりにマインディットの仕組みを説明してみます。

まず皆さんが部屋にいる事を想像してみてください。

皆さんは部屋の真ん中にいます。
部屋の天井からは無数のゴムが床に垂直に伸びていて、天井と床につながっています。
皆さんの真上から伸びてるゴムが今、皆さんがいる世界線です。
そのゴムの床から1mの位置にリトル皆さんがしがみついています。
しがみついてる場所が皆さんのいる世界線の現在です。

13氏的に)「タイムリープ」とは床から1mのリトル皆さんがそのゴムを滑り落ちたり、よじ登ったりすることだと思っております。

今いる世界線の「過去」「未来」に行く、みたいな。

一般的なタイムリープのイメージ

 

ここからがマインディット

仮に、部屋から伸びてる無数のゴム(他の世界線)を右手側は「過去」、左手側を「未来」、手前側を「おもしろい世界」、奥側を「つまらない世界」とします。

マインディット的なタイムリープのイメージ

「おもしろい・過去」に行きたければ右手を伸ばして右前方のゴムを引っ張ってきます。
引っ張ってきた世界線は一時的にリトル皆さんに近づきます。

そうして飛び移ります。

他の世界線にいる皆さんは年齢はバラバラですが、どの世界線の皆さんも「現在」は床から1mの位置。
だから、引っ張ってきた世界線の皆さんの「現在」の意識を乗っ取る、みたいな。

ただ、天井からは無数のゴムが伸びてます。
行きたい過去のドンピシャのゴムをつかめればいいですが、それはすごく難しいと思います。
だって無数にあるから。

だから行きたい場所らへんのゴムを数本つかんでひっぱってくる。

たぶん、イメージが繊細かつリアルであればあるほど、引っ張ってくるゴムの位置が正確でゴムの本数も減るんじゃないかと。

これがわたしのマインディット論です。

イラストは私(BTTP)が補足で書いたものだが、これ、「多世界解釈」のイメージにそっくりなのだ。

「多世界解釈」との共通点

ミクロの領域を研究する量子力学では、物質の最小単位である量子は波と粒の2つの性質を持っており、観測されるまでは波のようにいろいろな可能性として重なって広がっている。

そして、観測されてはじめて1つの粒子となる。
※ここでいう「観測」とは人間の目で見ることだけでなく、機械的な測定も含めて何らかの作用を対象におよぼすこと。

この確率的に広がっている波の状態(波動関数という)が観測によって1つの粒子に収束するという解釈(とらえ方)を「コペンハーゲン解釈」と呼ぶ。

コペンハーゲン解釈

ただしこれには別の解釈もあって、波のように重なって広がった量子は観測によって1つの粒子に収束するのではなく、さまざまな可能性のまま重なって存在していく。

その1つを粒子として観測したにすぎないというとらえ方だ。

これを「多世界解釈」と呼ぶ。

多世界解釈はよく「観測した瞬間に2つの可能性(世界)に分かれていく」というような説明をされるが、これは誤解だ。

この理論の提唱者ヒュー・エヴェレットの本来のアイデアは、分岐するのではなく、すでにさまざまな可能性が存在していて、シュレーディンガー方程式という波動関数に従ってわれわれはその1つを認識していくのだ。

多世界解釈イメージ

「大きな可能性の波の中から方程式にしたがってその1つを認識していく」・・・13氏が説明した「部屋に張られたたくさんのゴムの中から1本を選ぶ」というマインディットの仕組みとよく似ているではないか。

スレを読んだ限りでは、13氏がこのような量子力学の知識を知っていたとは思えない。

「マインディット」を13氏に教えてくれた精神科病院の患者が知っていたのだろうか?

とても気になる。

この考え方に従ってマインディットの仕組みを理論的に説明するのならば、われわれの宇宙の情報が描かれた2次元地平面の設計図から1つの可能性を選び、魂のアクセスを切り替える方法なのかもしれない。

クォンタム・リバース・アクセス

「マインディット」を知るもう1人の人物

さてこの方法で本当にタイムリープできるのだろうか?
※もちろん私の考察の主旨として、真実という前提で話を進めてきたが・・・。

実はこの「したばら掲示板のスレ」の中で、別の方から興味深いエピソードが書き込みされていた。

279番目の書き込みなので279氏と呼ぶが、279氏の小学校からの幼馴染で、酒を飲むと嘘のような大げさな話ばかりする友人がいた。

例えば「小学生のとき野球の日本選抜に選ばれて海外に行った」、「ジャニーズの研修生になって有名アイドル歌手のPVに出た」、きわめつけは「未来の自分の意識をうばって、10年先の未来に行ってきた」というような調子だ。

酒の席でその友人が話はじめると、飲み仲間たちは「またか・・・」とあきれていたそうだが、その友人が最近事故で亡くなった。

四十九日が過ぎて落ちついたころ、279氏が仲間たちと線香をあげに亡くなった友人宅へうかがったとき、彼の母親に昔を懐かしんで小学校のころのビデオを見せてもらった。

そこには野球チームで海外に遠征して外国の子供と話している友人の姿や、小泉今日子(!)のPVに出演している友人の姿が映っていた。

友人の話は嘘でも大げさでもなく、真実だったのだ。

すると未来に行った話も・・・。

279氏によると、友人はその方法を「マインディット」と呼んでいた。

●参考:『Back to the past』「マインディット!」(新しいタイムリープの方法)