「日本で最も闇が深い事件」ともいわれる、プチエンジェル事件をご存知でしょうか。
未成年の女子を売春する、非合法デートクラブ「プチエンジェル」の経営者・吉里弘太郎が逮捕され、一見解決したように見えたこの事件の裏側とは…
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1.プチエンジェル事件概要
デートクラブ「プチエンジェル」は、経営者で容疑者の吉里が集めた10代の女子による無店舗型の児童買春店です。
プチエンジェルは完全会員制で、年会費60万円が必要です。
未成年と行為に及ぶ場合は1回5万円。吉里はその仲介料として1回3万円ほどの利益を得ていました。
そんなプチエンジェルでしたが、ある日事件が起こります。
2003年の7月、吉里は4人の少女を「部屋を1万円で掃除してほしい」といって誘拐し、東京都赤坂にあるウィークリーマンションに連れてきます。
監禁後吉里は豹変し「ここにきた意味わかるよね?」と少女たちに詰め寄りました。
4人のうち2人はその場から逃げようとしますが、失敗。
手錠や鉄アレイをつけられ、監禁されます。
少女の行方不明が報道され、犯人が特定されますが、それと同時に吉里はマンションのリビングでテントを張り、練炭を焚いて自殺していました。
物音がしなくなったのを察した少女のうちの1人がマンションを脱出し、事件は明るみに出ることになります。
2.プチエンジェル事件には不可解な点がある
犯人が自殺し、一見解決したように見えるこの事件。
しかし、不可解な点がいくつもあり「日本で最も闇が深い」といわれています。
プチエンジェル事件の不可解な点を見ていきましょう。
2-1.不自然なほど莫大な売り上げ
吉里はプチエンジェルで、単独で35億円もの収益を得ました。
確かに年会費も安くはなく、売り上げも相当なものだったと考えられますが単独で35億円を稼いだというのは不自然です。
顧客リストや従業員の管理、女子の斡旋、ビデオテープなどの販売を本当に1人で行っていたのでしょうか。
経営陣は他にもいて、上からの圧力がかかって検挙時に吉里が単独犯として処理されたということが考えられます。
2-2.吉里の不可解な自殺前の行動
吉里は事件発覚の2日前、所有する2台のフェラーリを売却しています。
経営者の人間がなぜ高級車を売却したのでしょうか。
また、女子4人を誘拐する前日、吉里はポリタンクや練炭、鉄アレイなどをホームセンターで購入していることが監視カメラによってわかっています。
まるで事件前から自殺をするように決めていたとしかいえません。
2-3.自殺方法の謎
吉里は「ビニールの中で練炭を焚き、自殺を図った」と発表されました。
しかし、そもそも練炭は1000度以上になり、通常であればビニールは溶けて穴が開いてしまいます。
また、ビニールがめくれないように「外側から」テープで固定されていました。
吉里は1人で自殺したはずですから、中には行った後どうやって外側にテープを張ったのでしょうか。
本当に吉里が自殺だったのか、疑問が残ります。
2-4.捜査当局の動きが明らかにおかしい
監禁された赤坂のウィークリーマンションは、吉里ではなく「ヤマザキ」という名前で契約されていました。
しかし捜査当局はこの「ヤマザキ」を事件とは無関係であると即座に判断し、捜査しませんでした。
また、事件現場の部屋から出ていく男女2人を目撃した証言もありました。
男性は吉里とは別人で、女性は男性のことを「社長」と呼んでいたとのこと。
しかし、捜査当局はこの証言を無視して捜査を進めます。
2-5.吉里の司法解剖が行われない
吉里の自殺方法には疑問が残りますが、捜査当局は「事件性がない」と判断し、司法解剖をしませんでした。
明らかに自殺時の状況がおかしいのにも関わらず、なぜ司法解剖をしなかったのでしょうか。
2-6.被害者少女の証言の謎
被害者少女は、この事件について以下のような証言をします。
・マンションについてからアイマスクをつけられた
・監禁後の状況は何もわからない
・警察が来るまで、吉里が自殺していたことすら知らなかった
・容疑者は同室におらず、壁越しに自分たちの生活音を聞いていた
・吉里の声がしなくなったことを確認して部屋を逃げ出した
この証言の中には矛盾があります。
まずは「アイマスクをつけられた」という点。
誘拐後マンションに来るまでに吉里の顔も見ており、マンションには吉里しかいないはずなのになぜアイマスクをつける必要があったのでしょうか。
また、少女たちは「監禁後の状況はなにもわからない」と語りますが、マンションの壁は薄く、となりの部屋の生活音も聞き取れるほどでした。
もしも「何も状況がわからない」という証言が本当なら、吉里の声がしなくなったことを確認して逃げたというのも怪しく感じます。
自殺のために用意したビニールの音や練炭を焚く音が聞こえ、何かが起こっていることはわかったはずです。
2-7.不自然な報道とフリーライターの死
事件発覚当初、マスコミでは事件現場は「渋谷」と伝えられました。
しかし突然事件現場は「赤坂」と変遷します。普通ならこんな誤報があり得るでしょうか。
事件後マスコミは連日のように大々的な報道を続けます。しかしある日を境に、ぱたっとこの事件の報道が止まってしまうのです。
その後は「柏原蔵書」の名で活動していたフリーライター・染谷悟氏が単独で事件を取材し続けます。
しかしその努力も報われず、数日後に染谷氏は東京湾で遺体となって発見されました。
染谷氏は死ぬ直前に「中国人に殺される」との発言を残しています。
染谷氏は事件を追っていたことで何者かに狙われ、殺されてしまったのでしょうか。
3.顧客名簿には政界の大物の名前も?
事件後、プチエンジェルの顧客名簿が発見されました。
事件当時、捜査を担当していた刑事と親しかったテレビ局の取材班は、刑事から「顧客名簿に政界の大物の名前がたくさん載っているぞ」とのタレコミを得ます。
その情報が本当なら大きなニュースになるため、逮捕されたときのために報道用のビデオ素材を用意します。
しかし、そんな状況とは裏腹に操作は打ち切りとなってしまいます。
捜査当局からは「顧客名簿が全て偽名だった」と説明されましたが、顧客名簿には電話番号などの個人情報もあったはず。
そこまでわかっていて、なぜ捜査を打ち切ったのでしょうか。
4.プチエンジェル事件の真相とは
以上のように不可解な点がいくつもあるプチエンジェル事件。
その背景は反社会組織や芸能界、政財界などいくつものつながりが見えます。
捜査ではプチエンジェルの顧客名簿と、少女との行為が映されたビデオテープが押収されました。
しかし、このことは吉里1人の自殺によって片づけられ、うやむやにされています。
プチエンジェルに勧誘する少女は、容姿もかなり厳選され、芸能界にデビューする前のアイドルなんかも所属していたようです。
そして芸能界といえば反社会組織とのつながりが深いことでも有名。
捜査で押収された顧客名簿やビデオテープが明るみに出てはまずいと考えた組織が、捜査に圧力をかけたということは十分に考えられます。
そもそも警察の内部にも顧客がいたのかもしれません。
こういった側面から「日本一闇が深い事件」と呼ばれるようになったんですね。
政治界や芸能界、様々な圧力がかかって闇に葬られたこの事件の真相が明るみになる日は、果たして来るのでしょうか。