※これは世界的に有名なダイバーであるユーリ・リプスキーの不可解な死について考察する記事の後編です。この記事をお読みになる前に、ぜひとも前編をお読みください。
【考察】世界的有名ダイバーのユーリ・リプスキーはなぜ海底へ沈んだのか?その死の真相に迫る!-前編- 【考察シリーズ】
以下の映像はショッキングな内容であるため、視聴は自己責任でお願いいたします
【結論】ユーリ・リプスキー謎の死 その真相!
ここまでお読みいただいて、ユーリ氏が事故当時にダイビングしていたブルーホールは、危険度の高いスポットであったことはもうお分かりでしょう。であれば、「危険なダイビングスポットだから、彼の死は特段不思議ではない」ということにもなりそうです。しかしながら、海面からわずか数メートルのごく浅い地点から突然沈んでいく様子は、誰の目にも不可解に映ります。さらに彼はプロのダイバーでした。
こうしたことを鑑みると、「危険なスポットだから事故死した」と片付けてしまうのは、あまりにも短絡的です。とはいえ、彼の事故死が解明不能な原因によってもたらされたとするのも、あまりに幼稚です。
彼の死はまるで”謎”であるかのように演出されているのが現実です。つまり、彼の”謎の死”については、極めて高い確度で説明することができます。
ユーリ氏が沈んだ理由としていくつかの説があります。それぞれは以下の通りです。
ダウンカレント
「ダウンカレント」とは、潮流が壁などにぶつかることにより、下方向への流れが発生すること。これに引き込まれると意図せず深部へと沈んでしまうために、ダイバーたちの間ではよく知られている現象。
一見するとこれが最有力説であると考えがちであるが、動画を確認する限りではこれに疑問が残る。
その理由は、動画の3:16あたりでユーリ氏が沈んでいるが砂粒は沈んでいないこと。仮にこれがダウンカレントであれば、砂粒が上(海面方向)に向かって流れていくということがないはず。
ユーリ氏の死とは関係なし
窒素中毒
「窒素中毒」とは、高分圧の窒素を摂取すると発症する中毒症状の一種。
一般に「窒素酔い」と呼ばれている。その名の通りアルコールで酔ったときのように、計算能力や判断能力などの知的機能が低下する。潜水時の事故を引き起こす代表的な要因のひとつ。
この窒素中毒によって彼は冷静な判断力を失い、自ら海底へ向かっていったとは到底思えない。なぜなら、窒素中毒は30m以上の深度から起きる可能性が高く、彼が沈みはじめたのは海面から数メートル程度のごく浅い地点であったからだ。
そもそも彼はプロのダイバーであり、窒素中毒について知識は十分に備えていたはずだ。
直接的な原因ではないが関係あり
[結論]ユーリ氏の死の原因は、彼の装備から窺い知ることができる。
彼が潜水時に装備していた機材は、深度100mでも耐えることのできる耐圧仕様であった。つまり、彼は最初から海底へいくつもりだったことが考えられる(動画内でユーリ氏が沈んでいく様子をみた知人たちも「自ら望んで沈んでいるようにみえる」といっている)。
そのため、動画の1:27あたりで彼は「Help (ヘルプ)」と言っているが、これは”助けて”ではなく、”手伝って”の意味だった可能性がある。
ちなみに、このときの潜水速度は速く、1分間に約30mの速さで沈んでいった(彼の呼吸が荒いように感じるが、これはそれに応じた呼吸法である)。
海底に辿り着いた際、彼はパニックを起こしてレギュレーターを口から放してしまう。このパニックの原因は、動画の4:45あたりで左側に映る大きな魚影である。おそらくこれは大型魚であったが、彼はこれをサメと勘違いしてしまった(実際、このブルーホールではサメによる被害がある)。
ちなみに、この大きな黒い魚影がサメではないという根拠は、後に彼の遺体が引き上げられた際にこれが無傷であったこと。
彼がパニックを起こした海底は水深約115mであり、おそらく彼はこのとき窒素中毒に陥ってしまっていた。結果的にこれが彼から正常な思考を奪い、このパニック状態に繋がった。
最後にユーリ・リプスキーの死の原因をまとめると、
- 装備が重すぎた
彼はおよそ12kgもの潜水器材を背負っており、そのほかに撮影機材も身につけていた。 - 彼の身につけていたウェイトベストが破損していた
ダイバーは潜行を可能にするために錘(おもり)を入れたベストを着用する。緊急時にはワンタッチでその錘が取り外せるようになっているが、彼のものはこれが機能しなかった。 - 酸素中毒に陥った
彼は誤って潜水器材に必要以上の酸素を入れてしまった。酸素中毒高分圧の酸素を摂取した際、身体に様々な異常をもたらす症状。
ユーリ氏の場合は痙攣(けいれん)や硬直が引き起こされたと思われる。事故当時、この症状が浅い地点で現れた可能性が高い。ユーリ氏がごく浅い地点から突如沈みだした理由は以下の2つのいずれかと考えられる(本記事では後者が濃厚であると推測)。
- はじめから海底までいくつもりだったので、自ら沈んで(潜って)いった
- 酸素中毒による全身の痙攣や硬直によって沈んでいった
つまりユーリ・リプスキーの死は、
ごく浅い地点で酸素中毒を起こし、身体の痙攣や硬直により沈みはじめる
↓
海底では窒素中毒を起こして冷静な判断力を欠き、パニック状態に陥った
↓
レギュレーターを口から放してしまい窒息死
という流れであったと考えられます。
世界的に有名なダイバーであるユーリ・リプスキーの死の原因は、潜水器材の不備によるものであったと本記事では結論付けます。
動画の最後、彼の父親らしき人物がスキューバダイビングに対する嫌悪感を漂わせながら、2度繰り返す言葉が非常に印象的です。
「スポーツだと?」
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