※これはかつて、ひとりの男性が誤認逮捕され、これにより死亡した『四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件』に関する記事の【パート2】です。本記事をお読みになる前に、ぜひとも【パート1】をお読みください。
【未解決事件】『四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件』を徹底解説 -1-
事件発生時の詳しい状況
事件現場に設置された防犯カメラの映像について
ここで、事件現場となったATMコーナーに設置された防犯カメラの映像について解説する。以下は時系列でみる防犯カメラ映像の様子である。
(この事件の防犯カメラ映像は一般に出回っていないため、以下の記述から事件発生時の状況をイメージしてほしい)
※以下に登場する「男性」とは本事件の被害男性、「女」とは犯人を指す。カッコ内は詳細。
事件発生時の詳しい状況
男性がATMコーナーにやってくる。このとき男性の両手は買い物袋でふさがっていた
(男性は公共料金などの支払いのお金や小遣いを妻に渡したため、財布内の現金が無くなっていた。そのため、ATMを利用した。また、この買い物袋は孫が飼うハムスターの餌と排泄用の砂などであった)
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男性がATMを操作しているところに、女が突如ATMコーナーに入ってくる
(このときATMコーナーにいたのは男性のみであった。女は抱いた子どもをあやしながらATMコーナーに入ってくる)
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女は男性の肩にぶつかっていき、身体に触れるような仕草をする
(女はこのとき男性の財布を奪ったと思われる)
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女は男性の胸ぐらを掴む。ここで男性とのもみ合いに発展
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女が「泥棒!」と叫ぶ。すると付近にいた買い物客3人がATMコーナーに入ってきて男性を取り押さえる
(この取り押さえた人の中にはジャスコ店員が含まれていたとの情報もある。となれば、男性はかなりの人数に取り押さえられていた可能性も考えられる)
- この防犯カメラの映像からは、男性が一切の窃盗行為を働いていないことは明らか
- ATMコーナーから3~4mほど離れた位置で、犯行前の女がATMコーナーを窺っている様子を確認できる
⇒ターゲットを選定し、犯行のタイミング(ATMコーナーに飛び込む)を計っていたと思われる。
男性が買い物客3人らに取り押さえられている間に女がその場を立ち去る
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騒ぎを聞きつけた警官2名が現場へ到着
(このときちょうどジャスコ店内で万引きが発生しており、この事件処理のために警察官2名が居合わせていた)
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警官2名が男性を後ろ手に、手錠をかけたうつ伏せ状態で押さえつける。このとき男性は嘔吐を伴いながら意識を失う
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男性が気を失っているにもかかわらず、尚も手錠とうつ伏せの状態で20分もの長い時間拘束を続ける
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通報を受けた応援の警官が現場に到着。この警官が男性の気を失った様子や嘔吐の形跡をみて、男性を取り押さえていた警官2名を制止。さらに救急車を呼び、病院へ搬送させる(防犯カメラの映像はここまで)
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男性は翌日に死亡
男性は現場での拘束によって致命傷を負っていた。その後搬送された病院での検査により、男性の脳は回復不能な損傷を受けていたことが発覚。
また、男性の固く閉じた手の中から3つ折りになったキャッシュカードが見つかる。現場で拘束されている間も男性はこれを必死に守っていたのだろう。男性は最期までカードを握りしめていた。さらに、男性のかけていた眼鏡は片方のレンズが割れていた。
男性を取り押さえたのは、買い物客3人、警備員、警官2人だった。仮に男性が窃盗を行っていたとしても、レンズの割れた眼鏡しかり、死亡するほどの脳の著しい損傷といい、一体なぜ頭部へのダメージがあったのか。そこに必要以上の暴力行為があったことは間違いない。
唯一の手がかり 防犯カメラが捉えた”謎の女”
防犯カメラの映像こそ、本事件の様子を視覚的に確認することができるただ一つの証拠―。
先述のとおり、本事件における防犯カメラの映像は一般に出回っていない。唯一公開されているのは、その映像から切り取った女の画像のみである。それではここで、いまや本事件のアイコンともなっている問題の画像をご覧いただきたい。
本事件の容疑者 “謎の女”
2004年という時代背景やズームがされていることから、画像が非常に不鮮明である。それを差し置いても、この画像は見る者に不気味な印象を与える。
【パート2】はここまで。続きは【パート3】にて。