今回紹介する「ヒンターカイフェック事件」とは、ドイツ史上最大の謎の未解決事件と言われているのです。
後ほどこの事件の詳細を細かく紹介しますが、この事件名称となったのはドイツのとある小さな農場の名前です。
このヒンターカイフェック事件は1922年3月31日に起きた事件であり、一家5人と使用人1人が殺害された事件です。
被害者の内訳は以下の通りです。
夫：「アンドレアス・グルーバー（当時64歳）
妻：「ツェツィーリア（当時73歳）
娘：「ヴィクトリア・ガブリエル（当時35歳）
ヴィクトリアの娘：「ツェツィーリア（当時7歳）ヨーゼフ（当時2歳）」
使用人：「マリン・バウンガルトナー（当時45歳）
なんと殺害された現場が発見されたのは事件発生から約4日後の4月4日でした。
この事件の詳細について
この一家は近隣住民から「変わり者」として扱われており、ケチで有名だったそうです。
それに加えて人里離れた場所に住んでいたこともあり、この一家には様々な噂があったそうです。
恐らく、殺害から発見までの期間が遅れたのはこのように近隣の住民から変わり者扱いされていたからだと思います。
そして、なぜこの事件はドイツ史上最大の謎と言われているのかというと、「事件当日の目撃情報が少なかった」という点があったからです。※この一家に近づきたがるものがいなかった
殺害現場の様子
農場の納屋でグールバー夫妻と娘のヴィクトリア、そして娘のツェツィーリンが「つるはし」によって殺害されていました。
また、母親の寝室で眠っていたヨーゼフと使用人部屋にいたマリアも同様に殺害されていました。
4月4日になっても一家を見かけないことを不審に思った近隣住民が扉を押し破って中に入ったところ一家全員が遺体として発見されたのです。
少しだけ報告された目撃情報
事件当初は目撃情報が少なかったため、事件は難航を極めると思われていました。
しかし、数日前にアンドレアスは他の住民に「森から農場に行く足跡を見つけた」や、「屋根裏から足音がする」といったことを話していたそうです。
住民たちはアンドレアスに警察に届けることを勧めたのだが、本人は警察と関わるのを嫌がったため警察には届け出なかったそうです。
事件発生の6ヶ月前にはマリアの前の使用人が「農場が何かに取り憑かれている」という理由で使用人を辞めていたこともわかりました。
マリアが使用人としてやってきたのは、事件発生の数時間前だとされているのです。
事件の最終的な行方は？
警察は現場検証を行ったところ、屋根裏には藁が敷かれており、そこには人が寝ていたと思われる凹みが発見されました。
それだけではなく、外が確認できるように意図的にずらされた瓦など、まるでそこには人が住んでいたかのような痕跡が見つかったのです。
このような点を考えると、アンドレアスが見た足跡や屋根裏の物音などは犯人だった可能性が高いと考えられますね。
このようなことから、警察は屋根裏に犯人が潜んでいたと断定したのです。
警察は当初金銭を目的とした強盗殺人だと考えていましたが、農場の母屋からはお金が発見されたことから、この考えはありえないと判断されました。
その他、恨みによる犯行に視点を当てて捜査したものの成果を上げることができなかったのです。
しかも、犯人は犯行の何日前からその場所に居座っていたと考えられており、農場の牛や鳥には餌が与えられていた他、台所でパンや肉を食べた痕跡が残っていたそうです。
近隣住民の中には、週末の間、農場の煙突から煙が立つところを目撃した人もいたそうです。
この事件でいちばん不気味なのは、子供を含む6人を残虐に殺した後に、牛と鳥に愛情深く餌を与え、死体が転がっている家の中で食べ物を食い散らかし何日も寝息を立てていたのです。
凶器が見つかった
1923年に今まで行方不明だった凶器が発見されるのです。
屋根裏部屋の床板の下から「つるはし」が発見されました。
凶器が発見されたことから犯人が見つかるのは時間の問題かと思われましたが、警察に非協力的な村人たちがいたため事件解決には至らなかったのです。
まとめ
そして1955年にこの事件の捜査は打ち切られてしまい、1986年には再び事情聴取が行われたものの大した情報を集められることができなかったのでした。
そして、最終的にはドイツ史上最大の謎の未解決事件として捜査は終了してしまったのでした。
この事件にはいまだに有力な情報が集められていないことから、解決に至るまでまだまだ時間が必要かもしれませんね？
