【事件】貯水槽内で死体が発見された『エリサ・ラム事件』の真相 -前編-【考察シリーズ】

“失踪の末の遺体発見”

2013年、アメリカ,ロサンゼルスのダウンタウンで起きたひとつの事件が、瞬く間に世界中へと知れ渡ることになりました。

この事件の舞台となったのは、ミステリーマニアの間では有名な一軒のホテル。ここで巻き起こったカナダ人大学生の怪死事件は今も尚、語り継がれています。

今回は、なんとも不可解な『エリサ・ラム事件』を解説しながら、これを考察します。

事件の被害者:エリサ・ラム

エリサ・ラム (Elisa Lam), 広東語名:藍可兒
生年月日:1991年4月30日
死亡推定日時:2013年2月1日未明 (事件当時21歳)
遺体発見:2月19日


カナダ生まれのアジア系カナダ人。香港からの移民である両親を持つ。
カナダ,バンクーバーにある「ブリティッシュコロンビア大学」に通う大学生であり、両親はバンクーバーに隣接するバーナビーで飲食店を経営していた。一家は裕福であったことが推察される。

双極性障害(躁うつ病)の持病を抱えており、精神安定剤や抗うつ薬を服用していたことが分かっている。この持病については、自身が2010年中旬に開設したブログ内で触れられている。
事件からおよそ1年前にあたる2012年1月の投稿では、病状の悪化による授業の欠席について言及。その様子から、大学院への進学に対する不安を抱えていたことが窺える。
また、当初は彼女の病をひた隠しにしていた家族であったが、”エリサは持病によって自殺念慮に駆られたり、自殺を試みるようなことはなかった”と後に証言している。

そして2013年2月、エリサは滞在先であった「セシル・ホテル」にて変死を遂げた―。

事件の舞台:セシル・ホテル

1920年代に設立。「セシル・ホテル」は歴史あるホテルとしてかねてより有名でした。しかしこのホテルが有名であるのには、もうひとつの理由があります。それは、ロサンゼルスで起きたいくつもの凄惨な殺人事件がこのホテルで発生、または関係していたという経緯です。
例えば、ロサンゼルスで最も知名度の高い未解決殺人事件である「ブラック・ダリア事件」。この被害者であるエリザベス・ショートは死の前日、このホテルに宿泊していたといわれています。
ほかにも、オーストリアの連続殺人犯ジャック・ウンターベガーや、「ナイト・ストーカー」の異名で知られる連続殺人犯リチャード・ラミレス。こうした凶悪犯が連続殺人の犯行時にこのホテルを利用していたことが明らかになっています。
こうした数々の重大殺人事件と関りがあるだけでなく、このホテルでは自殺者も出ています。しかもこの自殺者が飛び降りの際、ホテル前の通行人の上に落下。この通行人は死んでしまいました。

このように「殺人」「自殺」「死亡事故」などが相次いだことから、オカルトめいたさまざまな噂に事欠かないホテルとして有名になったのです。

エリサが事件当時に滞在していたこのホテルは、ロサンゼルス市内でもとりわけ治安の悪い地区「スキッド・ロウ」の近くに位置していることから、”女性が一人で滞在するには危険があった”という声もある

スキッド・ロウ (Skid Row)

ロサンゼルス市ダウンタウンの中心にある地区。正式名称は「セントラルシティ・イースト」であり、通称である「スキッド・ロウ」は”ドヤ街”や”簡易宿泊街”という意味。
この地区には路上生活者や薬物中毒者が多く、殺人をはじめ強盗、薬物販売、強姦などの犯罪が貧困層やマフィアによって日常的に行われている。
いわゆる「犯罪多発地区」であり、治安が悪く危険であることは言うまでもない。

 

尚、現在(2020年4月現在)「セシル・ホテル」はその名称を変更して「ステイ・オン・メイン (Stay on Main)」となっています。そのため現在では、”旧セシル・ホテル”と呼ぶのが正しいでしょう。


以上、【前編】となる本記事では、『エリサ・ラム事件』の導入部分をお伝えしました。事件の詳しい内容は【中編】にて。

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『自分が読んでつまらないものは、誰が読んでもつまらない』これをモットーに100%クオリティの記事をお届け。執筆傾向は主に、「もしも○○したらどうなる?」の疑問を解消する【どうなるシリーズ】、未解決事件などを徹底リサーチ&自身の視点で切り込んでいく【考察シリーズ】。そのほか面白いテーマを見つけては記事にしています。心霊現象は完全否定派(ここだけの話)なので、心霊系の記事についてはいまのところ執筆する予定はありません(2020年3月現在)。 記事にしてほしいテーマのリクエスト受付中。どんなテーマでもOKですのでお気軽にどうぞ。